［詩］つくる

安らかな怠惰がある
何も無い贅沢さが漂う

欲しいものは
健やかな眠りだったから
手に入れた今朝は
つくるを忘れていた

飲みかけの麦茶や
太陽の淡い主張や
誰も傷つけない剣や
鳩やリスが憩う森や
負を逸した嘆息など
自転の営みは
普遍的な均衡を保っている

つくりながら
重力を強く感じ始めると
方向性の無い欲が湧き出す

定型文を打つように
感情が散乱しそうになる為
閉扉へいひさせていただきます

既読が付きそうな頃
雨の気配がなければ
そよ風に向かう
開扉かいひの準備をする

小銭だけで足りる欲を
見つけて満たせたら良い