【フィリピンのウニ/salungo, tuyom】

【フィリピンのウニ/salungo, tuyom】

 僕の地元の北海道はムラサキウニやバフンウニが有名ですが、フィリピンでも海沿いではウニが食べられます。ザンバレス州の海は一部が保護海域になっているほど生き物が豊かで、なかでも海の幸の一つであるウニが有名です。マラタンダンと呼ばれる針の白いウニ(ガンガゼモドキ?)と、長い針を持っていて危険なガンガゼ(タユム)の二種類が食用にされています。ウニ漁師はガンガゼを先の曲がった金属の棒で引っ掛け、とうもろこし用のぶ厚い袋に入れて捕獲します。捕獲したあとは袋を激しく揺さぶり、余計で危険な針を折る作業を行います。これによってウニは掴めるようになり、そのままでも食用にできるようになります。ウニの口の部分を取って腸を海水で洗い、玉ねぎ入りのお酢をかけ、生のままスプーンで食べます。地元のレストランでは、ウニ入りの黒パスタにすることも、ウニ入りのコロッケにすることもあります。

 食材としてのウニはフィリピンにおいても、ボトル一本分の身が200ペソ(約440円)で売れる非常に高価な食材です。ただし、身は一匹のウニから少量しか取れない上にウニを掴むため、非常に大変な作業になります。ボホール島のギンドラマンでは子供達が木の棒でウニを採って生計を立てていますが、ウニを加工する過程で手が血だらけになるなど、大変ななかでウニ漁は行われています。


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