『髪フェチになったきっかけ』
当時、私は中学一年生だった。吹奏楽部に所属していた。同じパートの3年生に、好意を抱いていた。
楽器素人の私を指導して下さったその先輩は、いつもポニーテールにしていた。やや面長の、清楚な知的美人だった。眩しかった。
その先輩が、秋の演奏会が終わった翌週、バッサリと髪を切ってきた。首筋で揃えたボブになっていた。あんなに奇麗に伸ばしていたポニーテールが跡形もなくなっていた。
そのあまりの変わりようにドキドキした。当然なんで切ったのかなんて聞けなかった。
本格的に断髪にはまり始めたのは大学生になってからだが、今にして思えば、この一件がきっかけとなり、徐々に女性が髪を切ることに興味を抱くようになったのだろう。
そして気が付けば、こうして断髪小説を書いている。なんか不思議だ。