マガジンのカバー画像

短編小説

20
いつかの記憶が消えてしまっても その頃の自分の物語がある といいなと思っています
運営しているクリエイター

2025年2月の記事一覧

引き換え【短編小説】

悪魔は言った
どうだろう
永遠の若さと引き換えにあんたのその魔力を私に譲らないか?

魔女は言った
そうね。永遠の若さを保つには魔力だけでは限界があるわ
私は魔力で全てのものを手に入れた。
あとは、永遠の若さを保つだけだからあんたの提案に乗ったわ

悪魔と魔女は、契約を交わし
魔女には永遠の若さを
悪魔には、魔女の魔力を渡した

魔女は、若々しい姿に変貌した
美しいわ
これで私は全てを手に入れたわ

もっとみる

消えた【短編小説】

雨が激しく降っている
ここは国道の狭い抜け道
対向車が来ると通れない

彼は急いでいたこともありスピードを少々出しすぎていた
対向車に気づくのが遅れ接触した

慌てて車から出て相手の無事を確認しようとしたが
運転席には誰も乗っていなかった

気がつくと彼は病院のベッドにいた
看護師さん、
私は車とぶつかってから気を失ったみたいですが、相手は大丈夫でしたか?

いえ、あなたは職場で突然倒れて運ばれて

もっとみる