消えた【短編小説】
雨が激しく降っている
ここは国道の狭い抜け道
対向車が来ると通れない
彼は急いでいたこともありスピードを少々出しすぎていた
対向車に気づくのが遅れ接触した
慌てて車から出て相手の無事を確認しようとしたが
運転席には誰も乗っていなかった
気がつくと彼は病院のベッドにいた
看護師さん、
私は車とぶつかってから気を失ったみたいですが、相手は大丈夫でしたか?
いえ、あなたは職場で突然倒れて運ばれてきたみたいですよ
看護師はそう答えた
いや、確かに車で会社に向かってる時に
お仕事で相当お疲れだったようですね
無理されないでくださいね
看護師はそう彼に伝え、
隣の患者の元へと行った
彼は数日して体調が回復し、
無事に退院となった
タクシーで自宅まで帰宅した
帰ると自分の車がなかった
会社に置いたままだと思い
そのままバスで会社まで向かった
しかし、車はなかった
会社の同僚に尋ねようと思い入ろうとした
会社に入ろうと
カードキーをタッチするが反応しない
インターホンで呼出し
開けてもらうよう名前を伝えようとしたら
自分の名前が出てこない
彼は会社に入ることができなかった
これはまずいと思い退院した病院に戻るが
あなたがこの病院に入院していた情報はありません
そう受付の人に言われた
結局どうすることもできず
自宅に帰ることにした
自宅に着き
家の鍵を取り出そうと
ポケットに手を入れるが
鍵が消えていた