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ストリートピアノについて思うこと

いわゆるストピ、相変わらず人気です

ストピブームはそのままピアノブームにも繋がっていて、YouTubeで動画を見てピアノをはじめたと言う話もよく聞きます。今後も廃れずに定着して行って欲しい文化です。

そんな中で調律師としてはちょっと気になることがあって、それはSNSで調律の狂いを指摘する投稿

「どこどこのピアノ調律狂ってる」
「あのピアノ調律してないんじゃない?」
「調律したばっかりなのに上がってこない鍵盤があった」

楽しみにしていたピアノのコンディションが良くないとガッガリする気持ちはものすごくわかりますが...これ調律師の立場からするとモヤッとすると言うか、結構テンションが下がってしまいます。

※ちなみに僕は後述の理由でストピの調律は今のところお断りしているので、自分がやった仕事のことではなくても、です。

もともとピアノは室内で使うことを想定されている

しかも室内でも環境にかなり気を使わないとベストコンディションを保てない繊細さ。そんなピアノにとって屋外は相当アウェイな環境です。例えるならアイスをキャンプに持って行くようなチャレンジ(?)

もし調律師が24時間体制で付きっきりでも屋内と同じように保つのは難しいと思います。

現実的なところでは、なにかあったその日中には近くの楽器屋さんが必ず来られる...くらいがギリギリ最低ラインかなと。なので以前はストピの走りのような企画の調律も受けていましたが、責任ある仕事をするのが難しいと思い今は受けていません。

それぞれのストピ担当の調律師は相当がんばっているはずですが、正直ストピのピアノは音が全部出ているだけでも奇跡、くらいの感覚です。なので管理側がメンテナンスを軽視してるわけでも、調律師が下手なわけでもないんです(多分)。ぜひ温かい目で楽しんでいただければ!

と、ここまで書いて...

ふと考えました。いや、キャンプ用品なんかも、ユーザーの「もっと快適さを!」と言うワガママ(と敢えて書く)があって今のような進化した商品が出てきてるんじゃないのかと。

そう言った声こそが実はこれからのピアノの発展につながるかもしれないと思ったりもするわけです。

ストピ用に頑丈さに特化したピアノが作られたり、狂わなさに全振りした画期的な調律方法が生まれたり。それは家庭やホールのピアノにも活かせるかもしれません。そんなことを妄想しました。

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