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実は内緒で変わってる

ディーラーに車を修理に出して数日間、代車を借りていました。隣家の工事中、車に塗料をこぼされてしまうと言う不幸な事故があったので...

ありがたいことに乗っている車と同車種、同グレードを貸してもらえたので全く不便なく。こういう時にナビをCarPlay(スマホを繋げばそのまま使える)にしておいて良かったなあと思います。

ただ一点、乗ってみると違和感が。良い違和感なんですが…

「アームレストが自分の車よりちょっとだけ長い」

代車を返すときに営業さんに聞くと、ある時期販売されたものから販売店も知らないうちに長いアームレストに変わっていたらしいです。確かにもともとのアームレスト、もう少し長いと嬉しいなと思ってたんですよね。

いわゆる“サイレントアップデート”ってやつ

実はピアノにもあります。

むしろ車と違って「マイナーチェンジのお知らせ」のような文化自体があまりないので全てがサイレントアップデートとも言えますが。

現行のヤマハのグランドピアノ「CXシリーズ」も発売開始された2012年のものと比べると細部は結構変わって来ています。

たまたまCXシリーズの2012年製〜2024年製まで、ほぼ全ての年のモデルを調律してきました。少しずつ細部が変わっていって、同じCXでも初期と比べると最新モデルは結構変わったなあという印象です。

変更された内容にも色々なレベルがあって…完全にサイレントで変わったところ、メーカーの代理店には変わったことがアナウンスされているところ、僕のようなメーカー以外の調律師にも情報が流れてくるようなところ、そうでなくても見ればわかる明らかに変わったところなどなど。実は変わったけど気づいてない部分もたくさんあるのではと思います。

でもおそらくユーザーさん向けには価格改定のお知らせ以外、公式に仕様変更のお知らせは12年間一度も出ていないんじゃないかなと思います。

12年も販売していればそりゃあ変わりますよね

ヤマハのCがつくシリーズはこれまで基本5〜6年でモデルチェンジして来ていたので、現行のCXって今までに無くかなり長期間売られているシリーズなんです。

もし中古でCXシリーズを探すときは一括りにせず、可能であれば年式ごとに弾き比べても良いかもしれません。

どこが変わった、どれが良い、は好みもあるのでここでは書きませんが、弾き心地にも見た目にも全く影響の無い、地味に変わったところを2点。

大屋根の受け金具のネジが3つ→4つに

確か2016年モデルくらいからの変更だと思います。ある理由から一般家庭では基本的にこの金具はひっくり返しておきたいので、4つネジは助かります。

3つネジだと
ひっくり返せないのでこうなります
4つネジだとそのままひっくり返せて見た目も良い

鍵盤おさえのネジがマイナスからプラスに

これは調律師としては改善なのか改悪なのか微妙なところ。2022年モデルから変わっていてちょっと驚きました。

左端のネジです。ここがプラスなのはまだ見慣れない

昔はマイナスだったピアノのネジは今やほとんどがプラスネジです。ほぼ唯一とも言えるここのマイナスネジが無くなれば、ドライバーの持ち替えが少なくなるので大歓迎です。

見慣れたマイナスのネジ

でも残念なことに、この部品を留めている4つのネジのうち、真ん中の2つは構造上マイナスネジのままなのです。結局マイナスドライバーが必要だし、なんならこの部品だけ脱着したいときに今まではマイナスドライバーだけで良かったのが、プラスとマイナス両方必要になったのはどうなの?

…と言う、最終的には弾き手の方には全く関係の無いお話で終わります。

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