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雑記:暴走する私と、ワーホリと

(日記のような、内省のような)


海外生活への憧れ

その日、私は締切が近い仕事の進捗が悪く、パソコンを持っていそいそカフェ作業に臨んでいた。
いつもなら、ガッと2時間ほど集中して、「あ~はかどった!」とたっぷりの充足感ともに、店をあとにできるところだ。
ただ、今回は邪念が多かった。

実は、この日の私は、久々の海外旅行から帰ったばかり。
非日常から日常へ。旅の中で受け取った、あらゆる刺激を消化している最中だった。
モヤモヤと波立つ心の中から一つ、「遠くへ行きたい。海外で生活してみたい」という思いがむくむくと湧いていた。

別の記事でも書いているが、不本意ながら私は、広く浅く興味をもつ一方で行動に移せない、でも未練を捨てきれない味のないガムみたいな人生を送ってきている(最近はリハビリ中)。

海外での生活も、私が長く温めている「いつかやってみたいことリスト」の中に確かに存在していた。その思いが今回、海外旅行が呼び水になり、改めて私の中で主張し始めている状態だった。

カフェでの一幕

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そんな頭で、アイスカフェラテを手に、パソコンを開く。

……この仕事がこうで、あの時のメールがこうで…

(邪念)
……ああ、海外、良かったな。違う文化を知るのも、言語を超えたコミュニケーションに挑戦するのも、こんなに面白かったっけ。また行きたいなあ。そういえばいつか住んでみたいと思ってたなあ。
……そういえば、ワーキングホリデーっていう手があったな。

でもワーキングホリデーの経験は、日本ではキャリアに活きるとかはなくブランクになっちゃうイメージ……。
たとえば20代後半の今行くのってどうなんだろう。みんなは何歳くらいで行って、その後のキャリアをどうしているんだろう……。

…………。
(別タブで検索し始める)
えっ、30歳までがワーキングホリデーの上限なの!?ギリギリじゃん!

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そうなんです。

「いつか海外に住んでみたい」と漠然と思っていたし、ワーキングホリデーという手段があることは10代の時から知っていた。
当時の私にとっては遠い未来で、まだまだ時間があると思っていた。気付かぬうちにリミットは目前に迫っていたのだ。急に湧いてくる焦り。
私は、こんなに悠長に何をしてるの?
急に、いま自分の体が、日本の片隅の、慣れ切った地元のカフェの硬い椅子に乗っかっていることを、意識する。

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……そういえば、北欧にもずっと行ってみたいと思っていたのに、タイミングが合わなくてまだ旅行すらできていないんだよなあ。特にフィンランドには、ずっと憧れがある。
(検索)
……おお、フィンランドにもワーキングホリデーで行けるんだ。
あら、フィンランドでワーホリ制度が始まったのは去年からなんだ。
確かに以前調べたときはなかった気がする……。

このタイミングの良さ……

これは……
もしや、フィンランドが私を呼んでいる……?

……いやいやいや、こんなことしてる場合じゃない。
もう30分も経ってる。
せっかく作業のためにカフェに来たんだから、仕事を進めなければ。

……ワーキングというからには、現地で求人を探さなきゃいけないよね。(※よく調べたら必須ではないらしい)フィンランドにはどんな求人があるんだろう。
(検索)
……飲食店がメジャーなのかな?うーん……日本人ならではの求人はあるのかな。
(検索)
……あまりなさそう。日本出身であることが有利になるような……検索ワードで絞ってもヒットしないかな。日本料理店とか日本語教師とか日本茶とか……
ただ、どれも仕事にできるほど詳しいわけじゃないんだけど。
……日本人なのに、それってなんだか、もったいないなぁ……。

……うーん…。
……いやいや、今は仕事をしなきゃ!

……フィンランドじゃなくて、デンマークやノルウェーとか、範囲を広げてみたらどうだろう?
今使えるスキルがなくても、海外クラウドソーシングサイトで実績を作ってからワーキングホリデーに行くのもありなのかな。……オンライン日本語教師っていうのもあるんだな……へえ……。
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などと。
私はすっかり仕事どころではなくなり、進捗もそこそにカフェを後にしたのだった。

その衝動、ちょっと待った

一度「これだ!」と思ってしまうと、暴走してそればかり考えてしまって、どうにもできないときがある。

現実的に本当に正しいかもわからない、いやたぶん危ない道である可能性が高い、目標というよりは思いつきのようなそれに、天啓のような何かを感じて飛びついてしまう。
(余談だけど、これがMBTIでいう「直観」が働きすぎてる状態なのかな~と思う)

こうして書くとたいそうな移り気だけど、私の「これだ!」のラインナップはだいたい定番化している。(前述の広く浅くやりたいことたちだ)
なので、熱量が上がるタイミングがそれぞれでも、それらが私が本質的に常に関心があるテーマなんだろうなと思う。

今回みたいに、テーマが「土地」に由来する場合は、なんの根拠もなく「これだ!私はここに行かなきゃいけない!」と強く衝動を覚えることがある。

たとえば学生時代、「コミュニティ」「地域創生」のキーワードに関心を持ち、関東から四国まで、地方創生で有名な町に直接足を運んだことがある。明確な目的やしたいことがあったわけではなく、「現地に行けば、何か感じるんじゃないか」という期待から、本当に行ってみただけだ。琴線に触れるものがあったんだろうが、それが何かはわからない。結果、当時の私は「なんか違うな」と感じ、次第にほかへと関心が移っていった。

自分の事ながら感覚的すぎて、この時の行動と結論が正解だったのか、未だにわからない。
随分浅はかよなと思いつつ、今も行動原理が変わっていないので、えらそうに過去の自分の選択をただせない。

そして今回は、北欧。フィンランド。
こんなに情熱的に飛びつきつつも、例の如くこの衝動には根拠がない。

私はこれまで、一度も北欧に足を運んだことがない。
知っていることといえば、日本で聞きかじった情報ばかり。

カフェ文化。少し人見知りなお国柄。
家具の美しさ。自然の豊かさ。

そんな断片的なピースに魅了されて、想像の中で憧れを育てているだけ。
貴重なキャリアやお金や時間を費やしてまで、長期間行く価値があるのか。
覚悟があるのか。

冷静な自分が、暴走する自分をたしなめている。

まずは現実的にね

理性と本能の間で折衷案として浮かんだのは、とりあえずは旅行で憧れの地、北欧を訪れてみること。

最短で年末年始かな。さすがに急かな。
どこかの長期休みで行けないか、お金も工面できそうか見てみよう。

短期滞在で魅力を感じたら、ようやく長期滞在したいかを考えられる。
まずは短期的な目標をそこに置こうかな。

早く行動に移して、確かめないと。
やりたいことを後回しにしてきた私は、出遅れてるのだから、早く。

……それにしても、本気でワーキングホリデーに行くとしたら、考えなきゃいけないことが相当あるよなぁ。
行く準備も、行っている間のことも、帰った後のことも。ふ~~

でも、やってみたいことがあると、未来が楽しみになって悪くないよね。幸せな困りごとだなぁ。
ま、実際戯言で終わる可能性大だけど、夢見るだけならタダだから!


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