【闘病記】難病サルコイドーシスが寛解するまで
私は28歳で社会人から大学に入学しました。31歳の大学3年生の時に体の異変に気付きました。サルコイドーシスに患ってしまったのです。そこから悪戦苦闘し、いまでは寛解しています。少しでもこの体験を伝えたいと思い記事を書きました。
いきなりやってきた診断結果
私は31歳の当時大が3年生をやっていました。社会人から大学生になり大学2年時に起業をして忙しくも充実感に満ちていた時でした。
毎年、大学では簡易的な健康診断が行われます。聴力検査、視力検査、レントゲン位の本当に簡易なものです。私はこの健康診断の前に予兆を感じていました。
健康診断を受ける2か月前ほどから左目と右目の奥が腫れていました。当時は疲れから来たのかと思っていました。また、特に目のふちが腫れていました。なかなか治らず、気づくと目が見えにくく前が見えない状態でした。
案の定、健康診断の視力検査の時に見えずに眼鏡をしていたのですが、メガネがあっていませんねと言われました。おかしいと思いました。メガネは3か月目に購入したので、そんなに急激に変わるのかなと。ただ当時は会社をしていたのでもしかしたら疲れかと思っていました。
つぎにレントゲンを撮り、その日は終了をしました。
1週間程経ちました。今でも鮮明に覚えていますが学食でカレーライスを友達と食べていました。すると携帯から見知らぬ電話番号から着信がありました。出てみると大学の健康科でした。
「もしもし至急来てください、肺に影があります。」
いきなり、カレーがマズくなりました。食べてるときになんて電話だと。私は17歳の時にも一度、原因不明の病で死にかけていたので、意外と冷静に答えました。
「今カレーを食べているので食べ終わったら行きますね」
これがサルコイドーシスの始まりでした。
検査
大学の保険の方たちにレントゲンの写真を見せてもらい、すぐに病院に行ってくださいと言われました。がんなどの可能性もあると言われました。
28歳でせっかくがんばって大学入りなおしてひどい仕打ちだな、神様いないのかこの世界は!と思ってました。
「わかりました、明日行ってみます。」と答えるのが精一杯でした。
病院に行ってレントゲンの写真を提出したところ、お医者さんにこう言われました。
「ご家族の方、もしくはご両親を呼んでください」
ドラマか!これは。もう覚悟しましたよ、まだこのころはいろんな可能性があって検査しないと分からないですが、基本大きな病気ですと言われました。全く笑えなかったですよ。そして検査入院で1週間ありとあらゆるところを調べました。肺にチューブを通す検査は本当に怖く、気胸のリスクや辛さを説明されました。
もうね、その頃の私は、なんでもしてください。もう耐えるしかない。と思って乗り越えましたよね、この検査を受けられた方はご存じだと思いますが2時間くらいかかりますし、医者の方も大変だと思います。もちろん、患者の方は気力体力ともに衰弱しますよね。そいうものだとわりっきて望んでください。この先きっと良くなります。
あの時は思えませんでしたが今は思えますので頑張らなくていいので、耐えてください。その後、ガリウムシンチとかいろんなことされましたね。とにかく検査入院が終わりました。
検査入院している時に内緒で外に少し抜け出してみると、日常がそこにありました。ママチャリを必死にこいでるお母さん。おじいちゃんとおばあちゃんお散歩をしてました。学生は楽しく笑いあい、サラリーマンの方は次の商談場所に走っていました。
全てが当たり前の光景ですが、その時の私にとって当たり前でなく、
「当たり前は、なにかに当たる前、当たったら当たり前でない」
そいうことを痛感しました。あたり前の日常が送れるすばらしさを本当に心底感じた瞬間でした。
検査結果がでました。お医者さんから出た言葉は、
「今回の病名は難病のサルコイドーシスです。」
サルコイドーシス?!なんですかそれは!
サルコイドーシスとは
サルコイドーシスは,原因不明の全身性炎症性疾患である. 病変部位では類上皮細胞肉芽 腫病変が形成される. … 類上皮細胞肉芽腫の量,形成される部位,臓器などにより,それぞれ特徴的な,あるいは 非特異的な臨床症状,所見を呈する.
引用:Wikipedia
ウィキペディアにはこう書かれていますが、いまいちわかりにくいと思いますので、ざっくり説明します。
この病気にかかる方は10万に1人くらいの割合です。日本人が1億人だとすると、約1000人~5000人と非常に少ないです。
また、女性特に30代以上の方が多いのや北欧に多いのが特徴です。
症状としては、各器官に炎症が起きていますので、私の体験談ではいつも38度くらいの熱がある感じがします。いろんな部位にでます。眼サルコ、肺サルコは私はなりましたが、それ以外のも皮膚サルコや心臓サルコもあります。
原因は、 プロピオニバクテリアをいうニキビの原因となる菌によるという説が最も有力です。 リンパ球を刺激するようです。
私が最も苦しかったのは症状として、だるさや疲れがひどかったです。
症状
私はとにかくだるくてやる気が起きませんでした。分かってからは当たり前ですがリンパ球が異常現象が起きて全身に炎症が起きているのでだるいわけです。医学の専門ではないので補足いただけたら幸いです。
ただ、他の人から見ると、自己管理が甘いとか、運動したらとか、栄養はちゃんととってるとか、ただ疲れているようにしか見えないので、私自身も判明するまでの半年くらいは本当につらかったです。
特に電車で倒れそうになって優先席に座った時の冷たい目は今でも覚えています。自分でもだるいだけなのに申し訳ないなとは思っていましたが、立っていられなかったです。
私の周りにかかっていた方が2人ほどいたのですが、やはり皆さん同じ思いをしていました。こんな名前の病気なんて誰も知らないので当たり前ですが、もし疲れが取れないやだるさが続くとなると確率は低いですが疑ってください。私も親族には誰一人としていないので遺伝的要素は低いです。ただ、本当にきついですので、リンパ球の数値とかでも予想はできます。
過ごし方
わたしは入院するのかと思っていました。しかし、この病気は経過観察くらいしかなく、手立てがありません。ひどくなるとステロイド治療などになります。要は原因に対しての特効薬がないので入院ができないのです。もし周りにこのような方がいたら温かく見守ってください。すぐには治りません。
少し特殊なのですが、わたしは17歳の時にも生死をさまよいました。その経験から有効な話をいたします。
藁にもすがる思いの治療法
わらにもすがる思いで、何か治療法がないかと考えました。私が実践したのは、
「この病気自体をなかったことにしよう」
というものです。これは医学的に証明されていないので気休みかもしれません。しかしながら私はこの考え方を選びました。とにかく脳をだましてまでも一切この病気の事を考えないように楽しく生活するように自分で暗示をかけました。
だるかったときも、病気だからじゃなくてこういう時もあるよねとか、昨日睡眠取れてなかったな、とか、とにかく家族にもこのことを話さないでと徹底しました。半年たったころ、本当に忘れていました。
1年後に病院から定期健診の案内が来ました。そこで初めて久しぶりに思い出したくらいです。呼ばれていった見ました。すると、
寛解するまで
1年ぶりの定期検診は今でも覚えています。この病気をなかったことにしたので、久しぶりに行くと自分は病気じゃないと思っていましたから。そこで検査をし結果を待ちました。お医者さんから出てきた一言は、
「肺の影が小さくなっている」
もちろん、自然治癒力とかいろんな要素があるので治し方も、この方法が効いたか分かりませんでしたが、わたしは病気じゃないから当たり前だと思っていましたが、母親は横で泣いていましたので、ああ、本当に良かったともいました。
それから3年後にほとんど症状がなくなり寛解したので、病院にこなくて大丈夫になりました。
この3年間は病気の事は忘れて、自分の体の声を聴くことに集中していました、体が嫌がることはとことん止めました。例えば、無理に仕事をするのではなく、できる範囲でやりますし、お酒も適量、睡眠も適度にしっかりとります。周りのみんなにはわからないので、説明はしますが理解は求めません。
本当に日本でかかっている方も数少ないと思いますので、完全な治し方の参考にならないかもしれませんが、せめて患ってしまった周りの方にこの記事を読んでほしいですし、私自身はこの経験をもとに絵本を書きました。
出版されないとかでなく、こういうことがあるという強い思いで書きました。必ず伝えるためにも何が何でも書いて全国の書店に置いてもらうという強い気持ちで。結果として非常にありがたい出版社さんがいらしてくれて絵本は完成し、全国出版やTV東京の番組に出させてもらいました。
絵本はこちらです。
らいふいず
「らいふいず:作 こすげまさゆき 絵 よこたちさ」かんよう出版
今は書店にはおいていませんがAMAZONでは購入できると思います。この本にはサルコイドーシスになった時の気持ちから治るまでの事をメタファーで書きました。この病気を患っているのはお母さん方が多いからと聞いたからです。お子さんは小さくて意味が分かりませんが、お母さんが頑張ってるという事をお子さんと一緒に絵本を通して体験されることができるように絵本にしました。
これを書いてお母さんから嬉しいおはがきや手紙をたくさんもらいました。少しでも多くの方がこの病気を理解してくれることを望みます。
おわりに
私は治し方は書いてません。早く特効薬ができる事は祈っています。ただ、こんな私でも難病サルコイドーシスを治せました。根拠はないですが、「病は気から」です。すこしでも免疫細胞を活性化する身でも明るく前向きに生きてください。きっと良くなります。また、ストレスがない仕事をすることをお勧めします。とにかく、ストレスフリーで前向きに楽しく生きていけば良い結果が得られると思います。
科学は進歩しているので、薬もいつかはできるはずです。なので前を向いて生きていけるための体験談になれば幸いです。長文を読んで頂きありがとうございました。