操りナイト

なんだかいつもと違う日。

いつも通りに会社帰りにスーパーへ寄る。
今日は思いっきり、ものが無い。がらんとしている。今晩大地震でも起きるのだろうか？
レジをうつ。なんだか人の気配もない店内。
寂しい棚、浮いた入店曲。
外へ出る。
暗い夜
先ほどの店内の寂しさを引きずり、いつもより暗さは増す気がした。
昨日の満月はどこいった？
消えた満月。これも昨日の余韻を引きずる。
あの辺にあったよな。位置は覚えている。

家へ向かう。
いつもの左折箇所が渋滞している。
こんな事は稀だ。なぜ渋滞する？
今夜はなぜか息が詰まる。時間を回すギアに潤滑油が足りない。なんだかスムーズにいかない。

原因を発見。　
いつも見慣れている顔だ。家主が車でバック駐車している。彼はバック駐車が苦手なようだ。僕はその作業が終わるまでそっと道路脇で待機した。はじめてみた家主の自家用車。それが今、という不具合なタイミング。

さて発進しようと思った瞬間、横から人が足早に横切った。
あぶないあぶない…
事故はこんな時に起こるのだろう。

家へ着く。
電気がついてない。
誰もいない。みんなどこへいった？
なんだかよくわからない夜。
なんだか今晩は人の生態が変な夜。

いつもの時間に
いつも通りに人が動いていない夜。

はて？
僕の
行動はどうか？

僕の行動も変？

改めて…いやいや。そんな事はない。

僕の行動はやはり
いつもの時間に
いつもの行動だ。

はてはて
皆んなの行動がおかしい。

隠れた満月のせいかな？
皆んながいつもと違う行動をする夜

皆んな月あかりを必要としている夜

窓の外を覗き見て、そんなことを考えていたら、雪…
ふわりふらりと家族も帰ってきた。

ああ。
今晩は初雪だったかぁ。

そんな夜。