快適なおうち 5(ユウト 密会の果て)
第5回<ユウト>
ユウトは誰もいない公園のベンチにマナベミユと座り、マナベミユの生い立ちについて聞いていた。出身地のこと、両親が離婚して父親に引き取られたこと、その父親の転勤のせいでたびたび転校することになり苦労したこと、必死に勉強してなんとか大学受験に合格し、家を出てこの街で暮らし始めたこと、そして今の会社に入社したこと……。ユウトは常に彼女の話の聞き手となり、「そうなんだ」とか、「それは大変だったね」と相槌を打った。大学時代の話に及んだときに、ビデオの話が出るのではな