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将棋の「天才」はどのように育ったか? (下)
こんにちは!
前回は羽生さんの子供の頃の話をお伝えしました。
サッカーやゲームをしたり、家族の買い物中に将棋を指す
程度だったんですね。
今回は「熱中できた理由」「環境的要因」をお伝えします。
熱中できた理由は2つの環境が大きかったと言います。
~なぜ将棋に夢中になっていったのですか?~
「私が将棋に夢中になれた理由は2つの環境が大きかったと思います。
1つはたまたま教えてくれる人がいたということ。両親は将棋をあまり
やりませんでしたが、友達が教えてくれました。将棋を知るきっかけ
があったということです。
もう1つは、続ける場所があったということ。近くに将棋道場がなければ
おそらく(将棋を)続けることはなかったと思います。」
続きます。
「将棋に限らず、どんな才能でも、たとえ先天的なものがあっても、それ
を見出し、伸ばす環境がなければ萌芽の機会さえないかもしれません。
そういう意味でも環境、(場)とうのは非常に大きいと思います。
そう考えると、先天的なものよりも、後天的なものの影響のほうが
大きいと感じます。私の場合も、きっかけとして、先ほどの2つがなけ
れば、将棋を続けることも、プロになることもおそらくなかったと思う
ので。そこは巡り合わせの良さを感じています。」
将棋道場にはたくさんの子供がいたことも影響を与えました。
~将棋道場の環境的に良かった点はどこですか?~
「子供が多かったことですね。子供が多いということは、自分にとっての
【学校以外の遊び場の1つ】という感じだったんです。将棋道場が非常に
通いやすい雰囲気だったということはありました。子供が居易い場所だっ
だんです。」
親御さんの期待はと言うと・・・・・
~親御さんの期待はありましたか?~
「そういったことは一切ありませんでした。そもそも、親の目的は【週末
の買い物】でしたから。だから将棋道場やデパートで行われる将棋大会
なども、それほどじっくり見てはいなかったと思います。
将棋が終わったら迎えに来るという感じでした。」
ここでまとめますね。
1,良い意味での期待がなかった。
2,目標や勝敗という結果よりも将棋を指すことに面白さを見出して
いた点
3,才能を伸ばせる「環境」にも恵まれた。
更に【プロセス】も大事だと話しています。
「今は情報化社会なので、何でも調べれば出てくると思います。
ですがその一方で、いろいろ経験し、感じたり試行錯誤していく
【プロセス】そのものにも大いに価値があると感じています。
しかし、何でも挑戦すればいいというわけでもないし、何でも
リスクを取ればいいということではありません。ここまでだった
ら大丈夫とか、ここまではダメだというのを感覚的に知っておく
ことは何においても重要だと思います。変化が早い時代ですので
直接その経験が活かせるということは少ないと思うんです。
ただし、その【プロセス】の中で得たことは、何らかの力になる
のではないかと。」
才能を磨き、伸ばすためには、一見遠回りに見えるような【プロセス】
を経験することが、変化の時代でも勝ち抜ける力となるのかもしれません
2022年6月16日公式戦通算1500勝達成しました。
1500勝を達成した羽生さんは・・・
「1500勝を達成したからといってすべての目標が終わったわけではない。
進歩の余地がある。これから先も自分なりに少しでも進歩して、上達し
ていけたらいいなと。それを今後の目標としたい。」
若手の台頭については・・・・
「若い世代の人の活躍は著しい。私も勉強になることがあり、
素直にすごいと思う。」
実は最後の言葉が羽生さんのすべてかもしれませんね。