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6月議会一般質問(協働について)

前回の記事(市民参画について)では、「市民参画と協働が、まちづくりの一丁目一番地」という話をさせていただきました。

今回は、市民参画と並び重要なテーマである「協働」について、6月議会一般質問の場に置いて質問しましたので、「協働」に対する考え方ともども報告させていただければと思います。

さて、「協働」。

こちらは市民参画に比べればなじみのあるワードと思いますが、具体的にどんなことを指すのか、実はあまりよく知られていません。

三省堂国語辞典によれば「協働」は、〈同じ目的のために、力をあわせて働くこと〉という意味だそうです。

花巻市のまちづくり基本条例第2条第4号には、「協働」の定義として、「市民、市議会及び市の執行機関が、それぞれの役割と責務をもって、協力し行動することをいいます。」とあります。

いずれ、「協働」は、複数の者(関係者)が目的をもって行動する、働く、という意味合いで使われることが多く、地方自治においては、市民と行政(議会)が、対等の立場で一緒にまちづくりを行う意味でよく使われます。

かつてはまちづくりにおける「協働」ブームがあり、よく「協働」という言葉を聞くことが多かったのですが、最近は、異なる立場や業種の人・団体が協力して、新たな商品・サービスや価値観などをつくり出すという意味での「共創」という言葉が使われるようになり、協働というワードが少し古い概念となっている感もありますが、それでもまちづくりにおける「協働」の重要性は何ら変わってはいません。

しかしながら、花巻市において「協働」の推進が図られてきたか?というと、残念ながら「NO」と言わざるを得ないと思います。

その原因は2つあると考えています。


①行政の「協働」への関心、理解の低さによるハードル

②市民の行政への依存


①についてですが、市民参画もそうなのですが、市は「協働」に対してあまり重要性を感じていないところがあります。
というよりも、これは市民参画でもそうなのですが、市民が積極的に市の計画や事業に関わると、行政としては自分たちの思った通りに物事が進まなくなるので、ちょっと毛嫌いする向きがあるのも事実です。

これは、別のところで話した気もするのですが、市民と言っても様々な個人、団体があって、市の計画・事業にいろいろとモノ申したい、いわゆる「活動家」のような個人・団体もあれば、市と一緒にコラボしてまちづくりをしたり、社会課題を解決したいなーと思っている個人・団体の方もいます。

行政が法律や条例等に則らない動きをしている場合において、「活動家」のような方が指摘、行動されるのは必要なことだと思います。

しかしながら、行政的にはそういった「活動家」の方に対するアレルギーが非常に高いこともあり、社会課題の解決に向けて、個人や団体の方が、何か行政と協働しようとして行政に働きかけを起こそうとしたとき、行政の方で初めから「No,thank you.」とされることが少なくありません。

私もこれまで、市議会議員になる以前に、市民として、行政の担当者に対して数十回の提案を行ってきました。
しかしながら、話は聞いてもらえるものの(聞いたふり?)、その後、上司等へその提案があげられることは少なく、その結果のフィードバックもありません。

逆に、直接、市長や幹部の方に提案をもっていくこともありますが、総論としては話を聞いてもらえるものの、各論になると担当課に・・・ってことになって、結局話が進まないということが何度もありました。

結局、こういうことがハードルになり、協働は進んでいかないのだと思います。

私は、今回の一般質問の中で、そういったハードルを下げる意味でも、「市の地域づくり課(市民協働係)の中に、市民が相談しやすい協働の窓口を設置する」ことを提案しました。

この窓口で、提案などを一括して受け、各担当課と協働できるかどうか検討し、その結果を提案者にフィードバックするなどのプロセスを明確化する。

協働がうまくいけばもちろんそれに越したことはありませんが、残念ながら協働が叶わなかった場合でも、提案のどこがダメだったのかが明確になり、提案した市民にとっても、どういう提案をすればいいのか、よりブラッシュアップした再度の提案の学びの機会となると思います。

また、協働の推進の役割を担っている「市民参画・協働推進委員会」は、ここ10年、市民参画の審議しか行っていないことから、「市民参画・協働推進委員会において協働の事例や協働件数などを報告するなり、協働について事例研究するなり、協働の推進についてちゃんと機能を果たすこと」についても提案をしました。

まずは、行政が市民の「協働」を受け入れる体制を整えていかなくてはいけません。



それから②についてですが、市民が行政に依存している現状も課題であると考えます。

「まちづくりの主役は市民」

と市民も行政も話すのですが、ではその実行役は?と聞かれると

「それは行政(市役所)でしょ」

となります。

いまだに「市民は市役所に税金を払っているのだから、市役所職員がまちづくりについては全責任を負う」みたいなことを話す方も多いのですが、多様化、複雑化する現代において、行政職員が全知全能で、すべてのことに見識をもって業務に当たれる訳がありません。

普段から市民が生活している中で感じたこと、こうしたらまちがもっと良くなるということを、ただ漠然と行政(市役所)に期待するのではなくて、

「こうしたら町がもっと良くなるという想いを現実化するために行動を起こす」

ことが重要なのだと思います。


もちろん、行動を起こし現実化に向けて動くためには、行政と協働するプロセス、ノウハウを市民に提供し、行動を起こす人材を育成することが必要なので、ここについては、市議会議員や、特定非営利活動法人花巻市民活動支援センターなどの中間支援組織がもっともっと力をつけていくかなければなりません。


いずれ、「協働」に対するハードルを下げ、協働のために行動する市民を育成することが、本当の意味での「市民が主役のまちづくり」になる


と思いますので、これは議会活動として行政に訴えかけるだけではなく、市民活動として、私も実践していきたいと考えています。

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