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12月定例会報告~一般質問~
前回に引き続き、12月花巻市議会定例会を取り上げます。
今回は、今週行われた「一般質問」についてご報告いたします。
「新花巻図書館の建設場所」に関する質疑
12月9日から12月11日にかけて、一般質問が行われました。
前回記事でご紹介した通り、今回の一般質問では、複数の方が「新花巻図書館の建設場所」に関する質問を行いました。
現在新図書館の建設候補地は「花巻駅前」「旧花巻病院跡地」の2つに絞られており、11月に両候補地の比較調査の結果が公表され、その結果について「市民説明会」を開催したほか、無作為に選ばれた市民75名による「市民会議」を開催して、対話による意見集約を図っています。
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1回目の市民会議では、慶應義塾大学大学院特任教授の山口覚さんをメインファシリテーターに迎え、それぞれの建設場所のメリット・デメリットなどについて参加者で話し合ったとのことです。
一般質問では「新花巻図書館の建設場所」に関し、次のような質問がありました。
ア)「建設場所」について、「市民説明会」における参加者の意見を反映するべきではないか?
イ)「比較調査」において、「旧花巻病院跡地」が危険個所であるかのような印象を与える資料となったのはなぜか?
ウ)「市民会議」において、メインファシリテーターからは「どちらかに意見集約を図るものではない」との話があったが、この会議はどちらかの建設場所に意見集約を図るものではないのか?
この質問に関し、市当局からは次のような答弁がありました。
(議場で聴いたものを書き起こしていますので、正確な回答ではないかもしれません)
ア)「市民説明会」は比較調査を説明するために開催したものであり、どちらがふさわしいか市民の意見を聴く場ではない。
イ)「比較調査」の資料は、「比較調査」を依頼したコンサルタントが作成したものであり、情報を正確に伝えるために危険個所も記載している。
ウ)「市民会議」は、原則として「どちらがふさわしいかを意見集約する会議」であり、次回の会議に向けてメインファシリテーターと協議を行っている。
いずれにしても「新花巻図書館の建設場所」については、「市民会議」の結果を尊重し、3回もしくは4回行われる「市民会議」終了後、速やかに建設場所を決定するとのことなので、まずは「市民会議」の推移を見守ることとなりそうです。
私と市長の間で考え方の違いが明確になった「リノベーションまちづくり」
12月11日に行われた私の一般質問では、「リノベーションまちづくり」に対する考え方において、私と市長の違いが明確になったという意味で大きな成果がありました。
私は「リノベーションまちづくり」について、次のような点から質問しました。
ア)昨年度、今年度と2年にわたって行った「社会実験」の成果と課題をどう分析しているか。
イ)社会実験を見ても、エリアの価値向上にはつながっていないように感じる。リノベーションまちづくり構想の実現を目指すためには、ロードマップを作成しながら、官民連携で取り組んでいく必要があるのではないか。
ウ)現在の「リノベーションまちづくり」は、上町周辺が中心となって行われているが、例えば花巻駅前などでエリアマネジメントの横展開を図る考えはないか。
この質問に関し、市当局からは次のような答弁がありました。
ア)社会実験は、「花巻まつり」や「どでびっくり市」など古くから取り組まれているイベントのほかにも日常的に何かやっているところという認識が生まれ、エリアの魅力向上につながったのではないか、と考えている。
イ)上町を中心としたエリアの価値を高める取り組みは、民間事業者がすすめるべきものであることから、市において民間事業者が進める事業にロードマップを作成することは考えていない。
ウ)上町では民間事業者が主体となった取り組みが始まり、社会実験を通じて地域住民や店舗、行政関係機関などで関係性を構築している途上にある。花巻駅前などの横展開を図るためには、更なる民間事業者が必要と考えている。
私は、
・リノベーションまちづくりは官民連携で行う取り組みである。
・民間事業者がイベントや空家等のリノベーションを行いながら、行政は歩道や公園などの公共空間の整備などを通じて、住民や来訪者が歩きやすく、街を楽しめる環境の整備、すなわち「ウォーカブルなまちづくり」をする必要がある。
・目標をもってまちづくりをするためには、ロードマップが必要であり、必要に応じて上町のみならず花巻駅前など横展開を図っていく必要がある。
と考えています。
一方、市長は、
・リノベーションまちづくりは民間事業者が行う取り組みであり、行政は必要に応じて支援する役割である。
・原則として民間事業者が主体でまちづくりを行うものであり、公共空間の整備を現在考えていない。
・民間事業者の取り組みにロードマップは必要がなく、横展開を図るには、横展開を行う事業者がでてくることが必要である。
という考えのようです。
私は、まちづくりにおけるエリアマネジメントの考えはとても重要であり、「新花巻図書館の建設場所」も官民連携でまちづくりを考えていくという視点からとらえてみれば、より納得のいく市民の意見集約が図れたのではないか、とも考えています。
いずれにしろ、私と市長の考え方の違いが明らかになったことで、私は「リノベーション」「エリアマネジメント」による官民連携のまちづくりを、より重要なテーマとして位置づけ今後活動していく決意です。
次回は「議案審議」「常任委員会」「特別委員会」などを報告
次回も12月議会の報告となる予定です。
12月13日に行われた「議案審議」、12月17日に行われる予定の「産業建設常任委員会」、12月18日に行われる予定の「広聴特別委員会」などについて報告します。