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提言③ポジティブな組織

 仕事における組織のことを考えるたびにいつも憂鬱な気分になる。
 サラリーマン時代、一部の部署を除いては楽しそうに仕事をしている組織を経験したことがない。

 「国への報告の期限が迫っている」
 
 「明日までに稟議(決裁)を済ませなければならない」

 「部長プレゼンの資料が完成していない」

 いつも何かに急かされ、答えを出していく。


 一つのミッションが完了しても、またすぐに次のミッションがやってくる。いくら自分が「くだらない」と思うようなクソ仕事でも、締め切りに間に合わせなければならない。
 社会人として最低限の仕事は、約束(期限)を守ることだ。
 
 時間に追われているといいアイデアなど出るわけがない。
 もちろん、知識をフル回転し、インターネットで検索しまくって、いっぱしの資料を並べたとしても、それはどこかで見たようなプレゼンになってしまってはいないだろうか?
 
 かつてサウナの効能について記事を書いたことがあったが、一見関係ないようなことをつなぎ合わせるようなアイデアとアイデアのマッチングは、脳がリラックスした状態で生まれる。
 机上であれこれ考えるより、散歩した方がいいアイデアが出る可能性が高いのだ。

 しかしながら、いまだに上意下達の硬直化している組織では、そんなことは許されない。
 溜まっている書類の片づけから始まって、メールのチェック、結論のでないミーティング、メールで伝達すれば済むような報告をメインとした生産性のない会議への出席、クレーム対応・・・。
 そんなことをしていればすぐ夕方だ。自分はいつプレゼン資料をつくればいいのか?

 何かに急かされてだんだん心のゆとりがなくなって、ネガティブになってくるのが分かる。
 「チッ」と舌打ちがでるようになる。
 「ハァー」とため息が出るようになる。

 ネガティブは組織に伝染する。
 あなたが上司なら、間違いなく部下はそのネガティブを感じ取り、部下は危うきに近寄らない態度をとるだろう。
 (それを感じ取らないスーパーな部下もいるが、その部下は大物か、それともどこへ行ってもお荷物か、どちらかだ)

 ネガティブな組織では、いい発想が生まれないばかりか、積極的なコミュニケーションが不足する。
 上司の態度に、部下の報告がおろそかになる。
 少しのミスで報告をしておけばよかったものの、それができずに気づけば炎上し取り返しのつかないことになってくる。

 ネガティブな組織は組織としての自己肯定感が薄いので、自分たちのやっていることに自信がなくなる。
 会社であればユーザーのために仕事をしたり、官公庁であれば住民のために仕事をするのではなくて、仕事の目的が与えられた仕事をこなすことになり下がってしまう。

 こういったネガティブな組織をポジティブな組織と変えることこそ、今、我が町の役場がやらなければならないテーマだ。

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