慢性の痛みについて 1
『痛み』の専門家は沢山いるが、痛みで困っているヒトが減らないわけ
1 『痛み』は、「首振りドラゴン」というリアルな『錯視』現象にそっくりである。
『痛み』は、『錯感覚』の『錯痛』であるので、「痛みの本質、全体像」を把握することが極めて困難である。私たちは、『錯感覚』を使って、『錯痛』を観察しているのである。だから、その観察結果は、夢の中で夢を見ているようなもので、『痛覚の本質』を探り当てることは、「那須与一が、海を泳ぐ馬上から、平家の船が波に揺れる中、その船の帆の天辺の『扇の要』を射る」のに等しく、神業に近い。
そして、読者が私の『痛み』の話を最後まで落伍せずに聞くことも、並大抵ではない。神業に近い。
さて、
10人の人が同時に正面方向、左右上下から『首振りドラゴン』を見るとしよう。
質問1「ドラゴンはどうしていますか?」
上下左右様々な立ち位置から、10人の各々が「ドラゴンが首を振って、私を見つめる」と答えるだろう。
『痛み』についての報告は、この状況にそっくりである。
10人の『自称痛みの専門家たち(医師、および、鍼灸師、柔道整復師、マッサージ師、整体師、製薬会社、その他)』が、「痛みは、私の治療に最もよく反応して、改善する」と口々に言うのに、そっくりである。『自称痛みの専門家たち』は、その立ち位置から動かず、自分の見ているもの、感じているもの、信じたいものを信じる。「確かにドラゴンは首を振り、こちらを見つめる」と。『他の9人も同じ現象に遭遇していること』を想像できない。ふと思い至ったとしても、その『痛覚現象の構造』を推論できないので、そのことを忘れてしまう。『錯痛』を『錯感覚』で見ている『二重の錯覚』なので、「自分は正視している」と感じて(信じて)いるから、『痛みの実相』にも気が付かない。
『自称痛みの専門家たち』は、この複雑な怪奇な状況を認知することもなく、もとより、解明する糸口に立つこともなく、目の前の『首振りドラゴン』の注視から逃れることはできない。
「ドラゴンの顔は凹んでいる」と解説すると、
『自称痛みの専門家』の10人が10人、「ドラゴンの顔は凹んでなんかいない」と声を揃えて、断言する。
「痛みは『錯痛』である」と説明すると、
10人が10人、「私も患者も、本当に痛いんだ」と鼻であしらうか、怒りを露わにする。
「首振りドラゴンを触ることも、後ろに回って観察して、凹んでいることを確かめることもできる」が、私たちは、『痛み(錯痛)の裏側』へ回って、『痛み(錯痛)の構造』を見ることはできない。『錯痛』の真ん前に立ったままで、『錯痛の構造』を解明しなければならない。
『首振りドラゴン』のタネ(『錯視現象の仕組み』)を知らない人が、首振りドラゴンを真正面から見るだけで、『首振りドラゴン』の構造を解き明かしてしまうには、『緻密な計測の繰り返しと理論的考察』の気の遠くなるほどの積み重ねが必要である。『錯痛の構造』の解明も、気の遠くなるほどの積み重ねが必要である。
そして、最後の難関は、『自称痛みの専門家たち』に『痛み(錯痛)の真実』を自覚させることである。
当然ながら、彼らは自分たちの見て来たもの、経験してきたものを疑わない。「今まさに、まさしく凸に見える物が凹である」などとは、疑わない。「経験したものが、実は錯覚である」とか、「痛みが実は痛みではなかった」など決して思い描かない。
『自称痛みの専門家たち』は、自らの頬を叩いて、「夢じゃない、今、見ているものはそこにそのようにある」と口にして、それで証明されたと確信する。「健康な自分が、冷静に見て感じたものは、錯覚ではない、事実そのようにある」と確信している。
しかし、『我々の感覚』は、『周囲の物質、物体から発せられるエネルギーの数兆分の1?』を『自分の生存に都合の良いように加工したもの』でしかない。
私たちの脳が作り上げ、私たちに提供する『感覚』、たとえば『視覚』は、あまりに美しく、幻想的で、魅惑的で、その美しさ、絶景を味わうために、私たちは苦難を乗り越え、名山に昇り、時間と大金をつぎ込み飛行機に乗って景勝地へ向い、絶景を求める。
その絶景は、ヒトの脳がヒトに与えるご褒美であり、ヒトの脳がヒトに与える、美しく、幻想的で、魅惑的なイリュージョンであり、まさに『錯感覚』であるが、ヒトは決して『錯感覚』とは認めない。
同じように、『痛み』もヒトの脳がヒトに与える生きるための、芸術的に精巧な、リアルなイリュージョンである。リアルなイリュージョンであるが、その性格上、ヒトは決してイリュージョンと認めない。ヒトにとって、あくまで、痛みはリアルで、『健康と生命維持のために迅速に回避しなければならない現実』でなければならず、ヒトは『それを現実である』と確信している。
痛みから逃避することで、生存率を上げるヒト族にとって、痛みは極めてリアルでなければならず、決してイリュージョンと気取られてはならない。『迅速な逃避のサインである痛み』が慢性化した時こそ、その痛みをイリュージョンと見破って、『錯痛(イリュージョン)の作成の構造』を解明し、対処するのが良い。
『慢性の錯痛』のイリュージョンを作り出している『仕組み』は、発痛物質でもなく、痛覚神経でもなく、痛覚伝導路でもない。『身体の構造』と『脳の感覚(錯痛)作成(知覚)の構造』が、その『慢性の錯痛』のイリュージョンを産み出している。
さて、
私たちは、二重、三重、四重のイリュージョンの中で生きている。
マスコミ、マスメディアが、テレビを使ってイリュージョンを作り出し、世界を覆っている。アメリカでは50%?くらい、日本では98%?くらいがイリュージョンを真実と信じて、そのイリュージョンに溺れ、『肥だめに浸かっている』のに、『いい湯だ』とヒトは満足げに顔を洗う(涙)。
『慢性の痛み』も『慢性の経済成長ゼロの日本』も、この二重、三重のイリュージョンに支配されていることに気付くことに、脱出の糸口がある。
『世界を覆うイリュージョンを見破った日本人』は、コロナワクチンの激烈な副作用の衝撃で微増している。
『慢性の疼痛の仕組み』に興味のある方は、『錯視現象』をネット上の画像と動画で検索し、『錯視現象』を通して、『錯感覚』について『頭の体操』をお勧めする。
以下のネットをご参照ください。ネット上で『錯視』に関する動画や画像が探せば、ほかにも興味深い動画や画像は沢山あります。
(『錯視現象が発生するメカニズム』が説明されています。私は同意見ではありませんが(笑)。)
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