なもなきかじ。

「名もなき家事」
この言葉を最近よく目にする。
もしかしたらこの言葉は最近流行ってるのか?日頃終わらせても終わらせてもゼロになることのない家事に疲れた人たちがSNSでこの言葉を見つけて「わたしがずっと悶々としていたのはこれだ!」とピンと来てここぞとばかりにその流行りに乗って言っているのか?なんなら名前の無い家事って何のことを差すの?とすら思っていた。最近までは。
たぶんそれは、自分が今まで「家事」というものをそこまで頑張っていなかったからだろう。
仕事をしていた時は外に出る時だけしっかりすればいいでしょという精神で、部屋の中は驚くほど荒れ狂っていたし(文字の如く本当に荒れていたし狂っていた。そんな1Kの部屋に後に旦那となる彼と3,4年は同棲していたのだが、今となっては信じられない。よくあの生活乗り越えたなあ。彼の懐の深さを急に感じた。笑)、娘が産まれてからも娘の世話に追われる毎日で最低限の家事しかしてこなかった。
でも最近になって、もちろん娘に関しては悩みも気をつけることも増えたが、少しずつ育児と家事の両立にも慣れてきて(もしかしたら「諦めてしまった」という表現の方が正しいかもしれないが)「家事」というものに真っ直ぐ向き合う機会が増えた。
そしてその結果、「名もなき家事」ってこのことか!とふと思う瞬間が増えた。
わたしがずっと目を向けていなかっただけで実はもっと前から「名もなき家事」というものは主婦層の中で話題になっていたのかもしれないし、第一わたしの認識が正しいかは至って不明だが、自分が今現在これは「名もなき家事」だと思っているものを羅列してみようと思う。
ひとつ前置きしておくと、あえて「名もなき家事」について検索をかけてない現時点でのわたしの認識としては、
「名もなき家事=洗濯、掃除、食事等の前後に付随する作業」
である。
以下、これらの家事に付随する作業とやらを思いのままに書き殴る。


第一に「洗濯」に付随するもの。
①糸くずフィルターの後処理
最近の新しい洗濯機だと処理のし易さを図り更に進化しているようだが、先日記載した通り我が家の洗濯機は10年選手で型もそこそこ古い&安価だったのもあり、糸くずフィルターはネットタイプのものである。
洗濯をするたびにそれなりに糸くずや埃の塊、時々テロテロ状になったカビ(泣)が溜まったネットを取り外してゴミを捨て、ささっと水洗いをしている。
が、旦那はきっとこの「糸くずフィルター」の存在を知らない。稀に自ら「洗濯やっとこうか?」と声をかけてくれたり、わたしが「娘の寝かしつけするから、風呂入るついでに洗濯機回しておいて」とお願いしたりで旦那も洗濯機を回すという家事をすることはあるが、糸くずフィルターを取り外しているところは見たことがないし、まず第一にその単語を旦那の口から聞いたこともない。旦那が洗濯をしてくれた後はいつも必ず糸くずフィルターを確認して、まあそうですよねと思いながら溜まったゴミの処理をしている。

②使用した洗濯ネットの乾燥
洗濯機を使用してチャックが付いたものだったり、形を崩させたくないものだったりを洗う際に必須となる洗濯ネット。
洗い終わった後はもちろん洗濯ネットも濡れている。なので、わたしはいつも洗濯物と同じように洗濯ネットも他の洗い物と同じように乾かしている。
しかし、旦那が洗濯物を干してくれた後にちらっと見ると、濡れた洗濯ネット達は当然の如く洗濯カゴの中で無造作に重なり合っている。
わたしの中で当たり前となっている、役目を終えた洗濯ネットを乾燥させることは旦那の中では「洗濯」という家事の中には含まれていないようだ。(なんなら気にも留めていないであろう)
我が家で使っている洗濯ネットは100円均一で購入した安価なものであるし、カビてしまったり生乾きの臭いが気になるようになったらすぐに新しい物を購入すれば良い話ではあるが、やはり1日でも長く、一回でも多く、洗濯ネット達には役目を果たして欲しいので、そう考えるとやはりわたしの中で洗濯後の洗濯ネットを干す作業は「洗濯」という家事の一環である。

③干す際の工夫
わたし達家族が今住んでいる所は、少々(いや、大分)市街地のはずれの方で、それなりにコンビニやスーパーはあるが、道路ひとつ挟んだ向かいには畑が広がっているような、比較的のどかな住宅街だ。
そのせいもあってか、特に夏場は虫が多い。元々虫が本当に苦手なわたしだが、蚊くらいは100歩譲って許すとして、絶対に無理なのが蜂である。単純に命の危険を感じるし、怖い。悲しいことに、我が家の周りはなぜか蜂が多い。2年ちょっと前に引っ越してきた頃には、なんかやけにベランダで蜂が飛んでるなあ、なんかいつも同じあたりに身を潜めているなあ、と当時妊娠していたわたしはソファに横になりながら観察していた。そして日に日に嫌な予感は増し、急いで管理会社に相談。その日中に見に来てもらい、結果蜂が巣を作っていたが全て駆除しました、とのことだった。「まだ比較的小さかったから専門の業者に頼まずにすぐ処理できました、よく気付きましたね」とお褒めの言葉を頂けて鼻高々であった。

話は逸れたが、この事件以降テレビで「今日は洗濯日和です!」と気象予報士さんがにこやかに言うような日でも、我が家は風呂場の浴室乾燥機で洗濯物を乾かしている。
浴室乾燥機は虫の有無関係なく、昼夜問わず洗濯物が乾かせると言う点でも大変便利なものだ。しかしやはりいくつか難点もある。本来ならかけなくてもいい電気代がかかる点、そして我が家の場合はベランダに比べると浴室で乾燥できるスペースが小さいという点だ。
だから少しでも乾燥時間を短縮するために、送風機の近くになるべくバスタオル等の乾くのに時間を要するものを干したり、向かって左側の方が右側より乾燥時間が短縮できる傾向があるので左側に乾きにくそうなものを干したり、わたしなりに工夫をしている。
しかし、だ。別に嫌味を言うつもりはないのだけれど、やはり旦那の話。旦那の干し方はわたしにとっては信じられない。洗濯物同士がぶつかりあって隙間がない所があるかと思えば、ゆったりスペースがある所があり、袖部分が内側に入り込んでいるまま干してあったり、もちろんシワもそのままだったり…。
旦那が干してくれた後には、なんでこうなるかなあと心の中でぼやきながらため息をひとつついて、自分の拘り通りにこっそり手直ししている。

そしてこれは完全に余談だが、先日毎朝の日課のひとつとして当たり前のように部屋の窓をひとつひとつ開けて換気をしていたところ、寝室の窓から蜂が侵入してしまう事件があった。なんとかカーテンに留まっている間にダンボールで圧死させて退治することに成功したものの、それ以降寝室の窓は怖くて換気ができなくなってしまった。
今のアパートに住んでいる間は、ベランダに洗濯物を干すことは今後も無さそうである。

第二に「皿洗い」に付随するもの。
①乾いた食器類の片付け
洗ったらその場ですぐ布巾で水気を拭き取り棚に片付ける家庭もあるとは思うが、我が家は水切りカゴで乾燥させてから片付ける派である。
新しい洗い物が出る時は、数時間前に洗ってカゴに置いて置いたものの中に乾いたものがあるかを確認した上で片付けてから、新たに洗い物をする。あくまでもわたしは。
しかし旦那は(何度も申し訳ないけど例として出す対象が彼しかいない。すまぬ。時々ではあっても手伝ってくれることにはとても感謝している。許しておくれ。)明らかに乾いてる食器の上に新たに洗ったものを重ねることがある。正直全く解せない行動である。これを二度手間と言わず何と言う!?という感じである。
なので、旦那が仕事がお休みの日は一日中水切りカゴの中にいる食器くんやコップちゃんも存在する。笑

②汚れた食器を水にさらしておく
使い終えたらすぐ洗い物ができるのであれば問題ないが、それはなかなか難しいので、使った食器は一度水でサッと流してからシンクに置いておいたり、用意した桶に水を溜めてそこにしばらく浸けておいて汚れをふやかしておく等の工夫をすることで、後々の洗い物の手間を少しでも省くのがわたしの中では当たり前。
でも旦那はなかなかそれが定着しない。してくれる時もあるが、当然の如くシンク横に使い終えた食器を水でひと流しすることなく置いておくことも多い。ダイニングテーブルの上に置きっぱなし!とかでなく、ちゃんと洗い場付近まで片付けてくれるのは良いんだけど、でも、でも、、と言った感じである。

③シンク周りの乾拭き
わたしは元々綺麗好き!とはかけ離れている人間なので、毎日ちょこちょこ掃除するというのが苦手だ。特に水回り。
わたしがずっと大好きな俳優さんである窪田正孝くんは、すごく綺麗好きとのことで、お風呂上がりは天井から壁から全てお気に入りの吸水に優れたマイクロファイバータオルで水気を全て拭き取らないと気が済まないと以前テレビで豪語していた。一見面倒くさい作業のように思えるが、その小さな手間を毎日していれば、カビが生えてしまった!とあれやこれやと薬剤を使用して掃除する必要もなく、逆に楽だし何より清潔である。
さすがにいくら好きでも全てを真似することは難しいが、せめてもと思い、シンク周りの水気は一日の終わりには拭き上げるようにしている。
もちろん忘れることはあるし、今日は面倒だからもういいやぁとサボることもあるが、この一手間を加えるようになってからシンク周りの大掃除をする頻度は大分減った。

最後に「料理」に付随するもの。
①料理の彩りと使う材料
料理が苦手だからこそ、せめてもと思い、わたしは料理を作る上で見た目を大事にしている。
人参やトマト等のハッキリした色合いの食材は彩りという点で、これ以上は無いというほど遺憾なく力を発揮してくれるので絶対欠かせない。
また、基本我が家のメインメニューは肉料理なのだが、よほどのことがない限り連日豚肉料理!というようなことがないようにしている。ちなみに昨日はオムライスで鶏肉を使ったから、今日は牛肉を使用する予定である。(ちなみにたまたま以前コストコでお試しで買ったミスジが冷凍庫に残っていただけで、基本的に我が家は豚肉か鶏胸肉しか買えません。毎日牛肉食べたい。。笑)
こういった工夫は料理が好き、もしくは得意という人にとってはなんてことないことなのだろうが、わたしみたいな主婦歴数年、料理の腕もひよっこ中のひよっこのわたしにとっては結構な労力を要するので、晴れて「名もなき家事」の一員である。笑

②冷蔵庫と冷凍庫の中身把握
昨年の今頃、車で行ける距離にコストコがあることが判明し、以降我が家は2,3週間に1回はコストコへ行き買い物をする。おやつやお酒はもちろん買うが、一番のメインはお肉や野菜等の食材である。
毎回数種類の肉類を購入して、各々200gずつぐらいに分けてラップに包んでジップロックに入れて冷凍庫に打ち込む。この作業を毎回ポリエチレンの手袋をした上で行うのだが、精肉工場で働いているような気分になれるのでわたしは結構好きだ。
ただ冷凍庫には大好きなアイスも常に複数入っているのもあり、冷凍庫は肉!野菜!アイス!と大混雑しており、どのお肉があとどれくらい残っているかを把握するのは至難の技。冷蔵庫にホワイトボードでも貼って残り数を都度記入する案も考えたが、一度忘れて面倒になるという未来が容易に想像できたのでしていない。
まあそんなこんなで、冷蔵庫(というか特に冷凍庫)の在庫チェックはなかなかに大変であり、我が家の食材を牛耳っているのは紛れもなくわたしなので、こまめにチェックして把握し得るのもわたしである。
確認し忘れてコストコに行ってしまった時、たぶん鶏胸肉あと2つくらいしか無かったから新しいの買う!と言って帰宅して冷凍庫を見た時に軽く5つくらいあった時は悲しかった。冷凍庫、もうパンパンだよ...と。わたしの記憶力ほど信じられないものはない。(苦笑)


とここまで長々書いていて、自分性格悪いな!と改めて思った。なぜならば全て小言!途中謝罪文は入れたが、改めて一例とは言え何度も引き合いに出してしまって旦那様本当に申し訳ありません。笑
だが、結局こう言った小さいことこそが紛れもなく今世間を賑わせている(?)「名もなき家事」の正体であろう。
そしてこの小さいものたちが積もり積もって山となり、それらが日頃家事という仕事を担う人たちの重荷になっているに違いない。
だが、わたしとしては上記した全てを旦那もわたしに合わせてやってくれ!と言いたいわけではない。(そう思っていた時期はあったが、自分の意見の押し付けは意味ないことが度重なる喧嘩を通して分かったし、正直もう諦めてしまった笑)
たぶん、こういう小さくて細かい作業があるんだよ、ズボラなわたしなりに工夫してるんだよ、と気付いて欲しいのだ。
気付いてくれたら、「腰が痛い」という万年腰痛持ちのわたしの一言も、「洗濯物干す時毎度屈むの大変だよね。いつもありがとう。」という優しい気持ちで受け止めてくれるかもしれない。なんならマッサージとかして痛みを和らげようと優しさを見せてくれるかもしれない。
気付いてくれたら、わたしがこっそり確認しに行って洗濯物のシワを伸ばす手間もなくなって、本当の意味で家事一つを旦那に任せられるかもしれない。

旦那が毎日仕事を頑張っていることは重々承知である。職業柄毎日いろんな年代、性別の人と関わっていて気疲れする仕事であろうことも容易に想像がつく。
旦那も言わないだけで仕事上で溜まった小言があるだろう。
互いの全てを理解するのはもちろん不可能だ。
しかし、「理解したい!」という心意気と実際の努力は必要だ。
良いことも悪いことも塵として積もる。
だからこそ、悪いことは「塵も積もれば山となる」と諦めるのではなく、「塵が積もっても丘で収める」ぐらいの目標を持ちたい。山より丘の方がなだらかだから、度重なる雨風に晒されて仮に崩れても大きな土砂災害にはならないだろう。


さて、ここまで自分が思う「名もなき家事」について書いてきたが、果たして実際はどんな意味合いで使われているのだろう。
教えて!Google先生!!

「 『掃除』『洗濯』『料理』といった大きな家事以外の、細かくて見えにくい、でも絶対的に必要な家事の数々のことです。」

とのことです!
ここまで書いておいて全然違うことだったらどうしようと些か心配していたが、これはわたしの認識で間違いなかったということでいいですかね!
わたしにも常識的なところがあったのね、と安心しました。


このテーマ、ずっと書きたいと思っていたのになかなか書けずにいました。
でも、今日はどうやら年に3回ある「主婦休みの日」という日らしく。
今日を逃したらあかん!と思ってこのテーマと今日向き合ってみてかなりスッキリした。


終わりもなければ休みもないけど(お給料もないしね泣)いまの自分にとっては主婦業が仕事なので、自分の仕事を全うできるよう、小言も吐きながらこなしていこう!

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