愛犬・外飼いトイプードルの思い出20
町を歩いていると、どうしても散歩をしている犬に目がいってしまう。
特にトイプードルだと、飼い主が不審に思うのではないかというほど、じっと見てしまう。何歳ぐらいかな?雄かな?雌かな?同じような毛色だな……なんてことを考えながら。
でも悲しくなるから、こちらから近づくことはしないようにしている。
顔見知りでもない限り、向こうから近づいてくることもない。
だから、あのクルクルとした毛並みの感触をだんだん忘れてきてしまった。
犬友のいない愛犬だったけれど、不思議とトイプードルだけには比較的友好的な態度を示した。ときどき、犬挨拶もしていた。自分より小さい犬でも、ほかの犬種にはまったく興味を示さず、むしろ避けて通るぐらいだったのに、トイプードルだけには仲間意識があったようだ。
犬は家の中で飼う時代になり、どこで犬が飼われているか分かりずらくなった。だから突然、玄関から犬が出てくるとドキリとする。それがトイプードルだったりするとなおさらだ。ちょっと伸びかけのボサボサの毛並みだったりすると、思わず名前を呼びかけそうになる。
突然の訃報から20日。愛犬ロスはまだまだ続いている……。