眠れぬ森の迷い人
絶対明日はよく眠る。
そう決めたはずが恥ずかしい結末。
迎えた早朝、草木の羽音。
枯れた心にも少しの水を。
プランターの隙間を流れる水達、日陰を戦場に縄張り争い。
下手打った挙句地を這うミツバチ、近くのアリたちよだれ垂れ流し。
お日様、予定通りの軌道。
気道確保すらままならぬ昨日。
教科書のない一筆書きの人生。
聖人君主ぶる人らの末路。
乗ってきた車は路肩に止め、ここからはあえて歩いていこうか。何かしら変わるかもと期待した。水たまりに映る自分の等身大。
私、嫌いみたい見たくないくらい痴態。未開の地には危険がいっぱい。
私の居場所が消えて行く。
私の景色が消えていく。
誰かの世界が広がって行く。
私の記憶が消えて行く。
私たちの誰かが消えて行く。
今も誰かが生まれていく。
私の余命が溶けていく。
私の若さが消えて行く。
子供が噴水前で騒ぐ。
絶対明日はよく眠る。
眠くなんてない、眠くなんてない。
絶対明日はよく眠る。
眠くなんてない、眠くなんてない。