「乃木坂46 だいたい全部展」創作関係者こそ行くべし
先日、「乃木坂46 Artworks だいたいぜんぶ展」へ行ってきました。やっぱり乃木坂ファンとして行っておかないといけないですよね!東京近辺に住む乃木坂ファンならもうすでに一度は訪れているかもしれません。案の定、とっても楽しかったです!!
ですが、実際に足を運んでみて思ったのは、創作関係者こそ刺激をもらえるのでは?ということ。ファンには最高な空間なのはもちろんなのですが、日本トップをひた走るアイドル乃木坂46がどう作られているか気になりませんか?制作物の裏側ってどうなってるか気になりませんか?僕はファンとしてはもちろん創作を趣味にしている人間としても楽しかったので、そんな視点で感想を語ってみたいと思います。
・乃木坂46を形作るたくさんの人たちの熱い想い
場内には設定集や未公開資料、衣装、写真、ジャケ写など、いわゆる「制作物」がジャンル別に並べられています。数々の物品とともに語られているのが、製作側の熱い想い。制作に取り掛かる前の打ち合わせ段階から細かい部分まで話し込まれているのがわかります。制作過程の資料を見ても、
「え?この段階からこんなに細かい指示?」
「え?こんな細かい色の明るみの違いでボツ?」
と、驚くことばかりでした。日本一のアイドルの制作現場ってめっちゃくちゃ細かいんですよ!けれどもそれは制作者側の「こんなものを作りたい」というエゴのようなものではありません。場内に入ると、乃木坂46に携わるスタッフからのコメントを集めたVTRが流れる部屋へ案内されます。映像、写真、衣装、楽曲、舞台・・・様々な裏側スタッフの言葉が画面に流れます。いろんな言葉がありましたが、集約すると、
「乃木坂46が持つ魅力を最大限に引き出したい」
これに尽きます。
趣味で物語を作る、オリジナルの絵を書くとかなら自分の作りたいものを作ればいいかもしれません。しかし創作を仕事にするとはこういうことなのかな、と。人に喜ばれ、人の魅力を引き出すようなものを生み出されたら最高なのかもしれない。そんな創作の持つ力を改めて感じさせられるVTRでした。そして乃木坂46は、関わるスタッフの熱い想いによってより魅力的になって世に出ていることがわかりました。
・全体に通ずるこだわり抜いたコンセプト
展示物は発売されるCD楽曲によってある程度のまとまりがありました。それは、発売される楽曲ごとにそれぞれコンセプトが決められているからです。そこを決めてからそれぞれの楽曲を取り囲むジャケ写や衣装やMVなどの方向性が決まり、トータルのバランスを見ながら調整して作られていくそうです。なので、何をどう作るにしてもまずはコンセプト。そこを決めるのに一番力を入れているのだとか。
その源泉となっているのが、「乃木坂46」そのもののコンセプト。最初からAKB48をライバル視し「48」より少なくても負けないように「46」、いつまでも挑み続ける「坂道」を登っていくところから名前に坂をつけ、公式マークも坂道を登り続けるようチャレンジ精神あふれる三角形をモチーフにしています。個々の魅力を立てることとチャレンジ精神が乃木坂46の原点であり頂点なのです。そこに楽曲ごとの個性を色付けし、表現方法に新しいチャレンジを加えながら進化し続けていることがわかりました。
なるほどためになりますね。こんだけ大所帯でも、いやこんだけ大所帯だからこそみんなが向かっていくための目印が必要なのでしょう。僕も文を書いたり物語を作るときにはまずコンセプトを決めようと思いました。とっちらからないの、大事。
・乃木坂46の魅力を極限まで引き出すMV
個人的に最も興味深かったのがMVへのこだわり。楽曲のコンセプト、乃木坂46メンバーの人間としての魅力、美しいビジュアル面・・・これらを全て放り込んだのがMVですから、一番こだわるのも当然と言えば当然。絵コンテ、脚本のプロットはもちろん、裏設定とされている資料までありました。これらを元に映像スタッフと乃木坂メンバーがイメージを膨らませ、1つの映像作品へと昇華させていくわけですね。
それらの資料は、その緻密さもあって曲ごと(MVごと)の世界観をかなりしっかり構築しています。しかしだからといって、その世界観の中に乃木坂を押さえ込んでしまうのではなく、あくまで彼女たちの中から広がる魅力の延長線上の世界観のように感じられました。
ここら辺の感覚は、創作を趣味にしている僕にとっては非常に面白く、全体に染み渡る作品の雰囲気のようなものはこうして生まれていくのかなと思いました。
・最後に:ファンには楽しい場所、創り手には刺激的な場所
乃木坂46の楽曲が流れ、辺り一面乃木坂だらけ。未公開資料も実際に使用された衣装も裏側エピソードもファンにはヨダレもの。メンバーの生サインも落書きされています。そりゃファンなら楽しめますよ。行きますよ。
ですが、乃木坂46のファンではない創作者にこそ行って欲しい。そこで、日本最高のものが作られる環境を、エネルギーを、想いを、規模を感じて欲しい。そしてまたそれを糧に新しいものを生み出して欲しい。そう勝手に思ってしまいました。熱だけでなく、どこにこだわっているのか、どれだけ時間がかけられているのか、どういう手段が取られているのか等、クリエイティブに関わる人には興味深い代物になっていると思いますよ!
中身もどんどん変わるみたいなので、ぜひ何度も足を運んでみてください!
(写真撮れる場所が限られていたのでこれぐらいしか写真が・・・)