9月26日開催、日向坂46ワンマンライブレポ〜今の日向坂の全てがそこにあった〜
9月26日、さいたまスーパーアリーナで行われた「日向坂46ワンマンライブ」に参戦。当時の写真を眺めてはあの熱気を思い出し、写真を眺めてはあの感動で涙を流す。まるで昨日のことのように思い出せる、それほどまでに心に残るライブだった。落選者多数の中、現場に入れた僕は本当にラッキーです。印象に残った場面をピックアップしていきます。
今後の方向性を決めた「ひらがなで恋したい」
セットリストはこちら。
1. ドレミソラシド
2. ひらがなで恋したい
3. ときめき草
4. 期待していない自分
5. 抱きしめてやる
6. My god
7. やさしさが邪魔をする
8. Cage
9. Dash&Rush
10. 君に話しておきたいこと
11. こんなに好きになっちゃっていいの?
12. キツネ
13. キュン
14. ハッピーオーラ
15. NO WAR in the future
16. JOYFUL LOVE
(アンコール)
EM1. 誰よりも高く跳べ!
EN2. 半分の記憶
EN3. 約束の卵
そう、ひらがな時代の楽曲が何曲かあります。OPの「ドレミソラシド」が終わり「ひらがなで恋したい」のイントロが流れた瞬間、場内に歓声が響き渡る。僕も鳥肌と同時に喜びの雄叫びを上げた。なぜこんなにも湧いたのか。それは、3rdシングル「こんなに好きになっちゃっていいの?」発売により日向坂46名義だけでセットリストが十分組めるからだ。3rdシングル収録曲を含めて18曲、これに外フェス定番となった「NO WAR in the future」、ライブの締め定番の「約束の卵」、ライブ限定の幻の曲「日向坂」を加えて合計21曲。はい完成。ひらがな時代の楽曲を捨ててもライブが成り立つ。正直、この並びに寂しさを感じていた。しかし2曲目のイントロが流れた瞬間、誰もが同じ気持ちを抱いていたことがわかった。あの時の会場の地鳴りのような声援、僕の体に流れた電撃、そしてつい滲み出てしまった涙。あの瞬間を忘れることはできない。今思い出してもグッとくる。「盛り上がれーーー!!」と煽るメンバーからは、決意と喜びに満ちたエネルギーを感じた。「日向坂はひらがなの曲を捨てたりしない。だからみんな安心してついてこい」そう言ってるように聞こえた。僕はこの時を、日向坂46のこれからの方向性が決まった歴史的瞬間だと思っている。
変わらない良さを見せてくれたMC。しかし成長も
MCが充実していたのも今回のライブの特徴の1つ。MC中は、みんな喋ってる人の方を向く。細かいところだけど、優しさと仲の良さが見れて嬉しい。こさかな(小坂菜緒)やひなの(上村ひなの)に対しては、みんな微笑ましく見守っている。愛でてる感じが滲み出て愛おしい。途中話題が盛り上がりすぎてわちゃわちゃする場面もあった。メンバー同士で突っ込んだりフォローしたり笑ったり大忙し。しかし、それは裏を返せばメンバーの話にみんなが耳を傾け、MCの時間に対して自然と積極的になっている証拠。用意した台本を読んでいるだけではなく、その場を楽しみ、地に足ついて余裕すら感じられた。この様子はデビューカウントライブの時には見られなかった。ひらがな時代のライブを見たことがないのでこれが「成長」なのか「真の姿」なのかわからないけど、「日向坂で会いましょう」や「HINABINGO」を通じて生まれた役割や自信があったんじゃないかな。日向坂として走ってきた半年間の経験は音楽面だけではなかったのだ。
新たな武器「黙らせる」を手に入れた日向坂46
この日の目玉は3rdシングル「こんなに好きになっちゃっていいの?」の初披露。事前にMVが公開されており、過去2作とは違った雰囲気を生で感じれることを楽しみにしていた。佐々木久美による曲紹介の後、まずは小坂菜緒の個人PVが流れる。初めて見る映像だ。カメラがこさかなをどアップで映し、「好きです」の一言。その言葉が来ることを予知していたかのように観客からフライング気味で「俺もー!!」「好きーー!」の声。少し笑ってしまった。するとステージにはMVと同じ服装のメンバーの姿が。そして画面ではこさかなが歩いてステージに向かう。MVを彷彿とさせる演出に鳥肌がたった。これを考えた人は天才だ。会場は少しざわついている。少し前の笑い、再現された衣装、天才的な演出、そしてついにきた初披露の時。いろんな感情が混ざり合い少し浮き足立つ会場を、彼女たちは一瞬で「黙らせた」。感情を込め切ない表情を見せるメンバー。情熱的に踊る小坂菜緒。力強い眼差し。ひと時たりとも目が離せない。瞬きすら惜しい。空気読まないバカがコールをするんじゃないか?なんて心配はどこ吹く風。会場全員が息を飲み「黙り込んでいる」。パフォーマンス後のMCでは呼吸が乱れる音が聞こえ、ダンスの激しさを物語る。MVを見てるので、初見の衝撃は和らぐはず。しかし、そのラインを超えてきた。これが彼女たちの新たな武器だ。欅坂46もウカウカしてられない圧巻のパフォーマンス。黙って欅坂46の背中を見ていたわけじゃねえ。
胸に突き刺さるキャプテン佐々木久美の姿
アンコール1発目は「誰よりも高く飛べ」。ここで繰り出されるのがライブ恒例のキャプテン佐々木久美の煽り。彼女の煽りは不思議だ。自然と「ああ!声出さなきゃ!」って気持ちになる。テンションが上がるのとは違って、彼女に応えたくなるのだ。もうライブ終盤、こちらの声はガラガラ。大声出すたびに咳き込む始末。しかしキャプテンはそんなことはつゆ知らず、タイトなスケジュールの日々を過ごし、悩みや苦労と戦い、圧倒的な練習を重ね、今日ステージ上で暴れまわり、なのにここにきて今日1番の大声とテンションをぶちかましてくる。そんな姿を眼の前にして手を抜くなんて申し訳なくなってくるのだ。そして彼女について行きたくなる。だから死ぬほど声を上げ、手を突き上げる。限界を超えてもうどうなってもいいやなんて思ったのは何年振りだろうか。
キャプテンは最後に「今の日向坂の全てを出し切った」と言いきった。今の日向坂とは、今まで頑張ってきて出来上がってきた全てのこと。そこには、日向坂46としてデビューしてから半年間で積み重ねてきたものだけではなく、ひらがなけやきとして磨いてきたものも確かに含まれていることをこの日を通じて実感した。ひらがなけやきの魂も、日向坂としての成長も、確かにこの場所に存在しそれが骨の髄まで染み渡ってきた。
最後に
とても楽しく大満足のライブだった。しかしそれだけではなかった。彼女たちはこの時間を目一杯楽しむだけではなく、成長した姿を見せてくれた。ひらがなとして、日向坂として頑張ってきた証を見せつけてくれた。日向坂を応援していると、なんだか自分も頑張ろうと思える瞬間がたびたび訪れるが、このライブも見てるこちらを心の底から奮い立たせてくれた。ただ楽しく、ただすごいだけでもなく、非現実な時間でのストレス発散で終わらない。こんなライブは初めてだ。
キャプテンが言ったとおり、今の日向坂の全てがそこにはあった。そしてこれから大空へ駆け上がっていく彼女たちの道筋も見えた。日向坂46の力。おひさまのエネルギー。この空間に溢れる愛。それら全てを受け入れるにはさいたまスーパーアリーナは狭すぎるようだ。
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