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気象一般過去問問11より「地球温暖化」とは 12/27

第57回気象予報士試験過去問
問11
地球温暖化の現在の状況について述べた次の文(a)~(c)の下線部の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①~⑤の中から1つ選べ。

(a)最近のおよそ100年間の地上気温の変化傾向を見ると、世界の気温上昇の割合は海上より陸上の方が大きく、陸上のうちでは北半球の高緯度地域で大きい。
(b)最近のおよそ50年間に大気中の温室効果ガス濃度の増加にともなって地球全体で増加した熱エネルギーの約9割は海洋に蓄積されていると見積もられている。
(c)地球温暖化に伴う世界平均の海面水位の上昇は、海水温の上昇と北極海の海氷の融解による海水の体積の増加が主な原因であると考えられている。

温暖化問題は必ず出てます。
多くの問題は正しいのですが、必ずひっかけ問題もあるので、ぜったい正しいと答えられる問題を解き、消去法で答えを選ぶ。



まず、解く前に気象庁HPより温暖化を学びます。

質問形式のページで多くのことがのってのっています。

地球温暖化についてまとめているページはありますか?
 地球温暖化をご覧ください。

世界が温暖化したことはどうやってわかりますか?
 地上で観測している気温や海洋の温度、氷河や積雪面積、海氷の減少などの様々な観測の結果からわかります。地上と海面水温から求めた世界全体の平均気温は、100年間で約0.7℃上昇しています。

海洋は温暖化していますか?
 海洋も温暖化しています。10年以上の長期間で地球全体あるいは、太平洋などの広い海域で平均した温度でみると、温暖化していることがはっきりとわかります。ただし、北大西洋の一部の海域では、海洋内部の深層水の流れが十年規模で変動している影響などで温度が低下しているところもあります。

北極や南極の海氷はどのように変化していますか?
 北極域での海氷面積は、10年当たり3.8%で減少しています。また、北極海の冬季の海氷の厚さも1978年から2008年の期間で約1.8m薄くなっています。一方、南極域の海氷の面積は10年当たり1.5%のわずかな増加を示していますが、海氷面積が減少している地域、増加している地域があり、年や場所によるばらつきが大きくなっています。南極域の海氷の厚さは、測定結果が少ないため、減少しているか、増加しているか判断できません。

山岳の氷河は消滅しつつあるのでしょうか?
 世界の多くの山岳地帯では、この数十年間で氷河が消滅しつつあります。氷河の消滅は、カナダ北極圏、ロッキー山脈、アンデス、パタゴニア、ヨーロッパアルプス、天山山脈、南アメリカ・アフリカ・アジアなどの熱帯の山地で報告されています。

大気中に放出された二酸化炭素はどうなるのでしょうか?
 大気中に放出された二酸化炭素は、一部が海洋や陸上の植物(植生)により吸収され、残りが大気中に留まります。1750年から2011年までの人為起源の累積二酸化炭素排出量(555GtC※)のうち、約40%が大気中に蓄積(240GtC)し、約30%が海洋で吸収(155GtC)、残り約30%が陸上の生態系に蓄積(160GtC)しています。
※GtC(ギガトン炭素)…炭素換算での排出量。1ギガトン炭素(=10億トン炭素)は、二酸化炭素を構成する炭素が10億トンあることを表す。

二酸化炭素の量を表す時に、含まれる炭素だけの重さ(炭素換算)で表すことがあるのはなぜですか?
 炭素の追跡を簡便にするためです。
 炭素は地球上やその内部を有機化合物や無機化合物など様々な物質に形を変えながら移動していきます(炭素循環)。その際、炭素そのものの重さは変わらないので、炭素だけの重さで数値化した方が計算を行い易くなります。

雲は気候と気候変動にどう影響しますか?
 上層雲はより効果的に赤外線を捉え、地上気温を上昇させます。一方、下層雲は、多くの太陽光を反射し、宇宙空間に返す効果があり、地上気温を低下させます。温暖化とともに雲がどう変化するかは気候モデルにより予測されていますが、地球温暖化を増幅させる可能性が高いと評価されています。ただし、増幅の強さは不確実であるとされています。

エーロゾルは気候にどう影響しますか?
 大気中のエーロゾルは、大気中に浮遊している小さな液体粒子や固体粒子のことを指し、自然起源のものと人為起源のものがあります。エーロゾルは、太陽の光を散乱・吸収して地表に達する日射量を減少させ気温を低下させる効果を持つ一方で、地球から放出された赤外線を吸収・再放出するという温室効果を持っています。さらには雲粒の核として雲の性状を変えることで、間接的に気温に影響する地球の放射収支を変化させる効果も持っています。このため、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第5次評価報告書ではエーロゾルは気候変動の要因の中で最も大きな不確実性をもたらしているとされています。ただし、その不確実性を考慮しても、エーロゾルの増加は全体として地球の気温を下げる効果を持つと考えられています。

地球温暖化に伴って日本の梅雨にどのような影響を及ぼしますか?
 地球温暖化に伴って、梅雨明けが遅れることが指摘されています。将来の海面水温分布が変化し、フィリピン付近の対流活動が南東側にシフトすることで亜熱帯高気圧の北上が弱まり、梅雨明けが遅れる可能性や上空の大気の流れの変化が影響する可能性を指摘するなどの様々な研究が行われています。

温室効果とは何ですか?
 地球の大気には二酸化炭素などの温室効果ガスと呼ばれる気体がわずかに含まれています。これらの気体は赤外線を吸収し、再び放出する性質があるため、太陽からの光で暖められた地球の表面から熱放射として放出された赤外線の多くが、大気に吸収され、再び放出された赤外線が地球の表面に吸収されます。これらの過程により、地表面及び地表面付近の大気を暖めること温室効果と呼びます。大気中の温室効果ガスが増えると温室効果が強まり、地球の表面の気温が高くなります。

温室効果ガスにはどんな種類がありますか?
 人間活動によって増加した主な温室効果ガスには、二酸化炭素メタン一酸化二窒素フロンガスがあります。
水蒸気には大きな温室効果がありますが、水蒸気の大気中の濃度は人間活動に直接左右されませんので、人為起源の温室効果ガスとしては扱いません

二酸化炭素濃度は場所によって違うのですか?
 二酸化炭素濃度は場所によって違います。これは地球全体の空気がよく混ざるまでに時間がかかるためで、都市域などで人間活動により二酸化炭素が放出されると、その付近や風下で濃度は高くなり、森林地帯などで光合成により二酸化炭素が吸収されるとその付近や風下で濃度は低くなります。
 二酸化炭素の放出源は北半球に多く存在するため、北半球中・高緯度で濃度が高く、南半球で低くなっています

なぜ北半球では春に二酸化炭素濃度が高くなるのでしょうか
 陸域の植物の光合成が最も活発になる前の時期にあたるためです。
 植物の光合成は、春から秋にかけて活発になり、秋から春には不活発になります。このため、植物による二酸化炭素の大気からの吸収量は夏季に大きく、冬季には小さくなります。一方、動植物の呼吸をはじめとした自然要因や人為起源による二酸化炭素の大気への放出はおおむね年間を通じて一定です。この二酸化炭素の吸収量と放出量をあわせて考えると、北半球中高緯度では一年の中で春頃(3~4月)に濃度が最高となります。その後、夏季にかけて、濃度が一時的に減少します。

二酸化炭素濃度が南半球では北半球より低く、季節変化の幅も小さい理由は?
 北半球と比べて、陸地の人間活動や植物が少ないためです。南半球には陸地が少ないため、人間活動による二酸化炭素の放出源が少なく濃度が低くなっています。また、森林等の植物も少ないため、光合成の変化に伴う季節変化の幅も小さくなっています。

気象庁では、二酸化炭素の観測をどこで行っていますか?
 気象庁では岩手県大船渡市の綾里、東京都小笠原村の南鳥島、沖縄県与那国町の与那国島の3ヶ所で行っています。観測開始は、綾里が1987年、南鳥島が1993年、与那国島が1997年です。

気象庁で観測されている二酸化炭素の濃度は地上からどの程度の高さの濃度ですか?
 気象庁では、二酸化炭素濃度が地表近くでの植物活動や人間活動から受ける影響を小さくするように、地上から約20メートルの高さから取り込まれた空気の二酸化炭素濃度を測定しています。

気象庁では、二酸化炭素の観測をどのくらいの頻度で行っていますか?
 機器の点検等を除き、基本的に連続的に観測しています。観測所周辺の局所的な影響があると考えられるデータを除く等の品質管理を行った後、月平均値を求めています。

気象庁HPより

地球温暖化問題とは
 私たちの社会はそれぞれの地域の気候を背景にかたちづくられています。その気候が、地球規模で、私たちが経験したことのないものに変わりつつあります。
 現在の地球は過去1400年で最も暖かくなっています。この地球規模で気温や海水温が上昇し氷河や氷床が縮小する現象、すなわち地球温暖化は、平均的な気温の上昇のみならず、異常高温(熱波)や大雨・干ばつの増加などのさまざまな気候の変化をともなっています。その影響は、早い春の訪れなどによる生物活動の変化や、水資源や農作物への影響など、自然生態系や人間社会にすでに現れています。将来、地球の気温はさらに上昇すると予想され、水、生態系、食糧、沿岸域、健康などでより深刻な影響が生じると考えられています。
 これらの地球温暖化に伴う気候の変化がもたらす様々な自然・社会・経済的影響に対して、世界各国との協力体制を構築し、解決策を見いだしていかなければなりません。これが、地球温暖化問題です。

地球温暖化の原因
 20世紀半ば以降に見られる地球規模の気温の上昇、すなわち現在問題となっている地球温暖化の支配的な原因は、人間活動による温室効果ガスの増加である可能性が極めて高いと考えられています。
 大気中に含まれる二酸化炭素などの温室効果ガスには、海や陸などの地球の表面から地球の外に向かう熱を大気に蓄積し、再び地球の表面に戻す性質(温室効果)があります。18世紀半ばの産業革命の開始以降、人間活動による化石燃料の使用や森林の減少などにより、大気中の温室効果ガスの濃度は急激に増加しました。この急激に増加した温室効果ガスにより、大気の温室効果が強まったことが、地球温暖化の原因と考えられています。


現代社会はたくさんの化石燃料を消費し、大量の温室効果ガスを排出しています。

温室効果とは
 地球の大気には二酸化炭素などの温室効果ガスと呼ばれる気体わずかに含まれています。これらの気体は赤外線を吸収し、再び放出する性質があります。この性質のため、太陽からの光で暖められた地球の表面から地球の外に向かう赤外線の多くが、熱として大気に蓄積され、再び地球の表面に戻ってきます。この戻ってきた赤外線が、地球の表面付近の大気を暖めます。これを温室効果と呼びます。
 温室効果が無い場合の地球の表面の温度は氷点下19℃と見積もられていますが、温室効果のために現在の世界の平均気温はおよそ14℃となっています。
 大気中の温室効果ガスが増えると温室効果が強まり、地球の表面の気温が高くなります。


温室効果ガスの種類
 人間活動によって増加した主な温室効果ガスには、二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、フロンガスがあります。
 二酸化炭素は地球温暖化に及ぼす影響がもっとも大きな温室効果ガスです。石炭や石油の消費、セメントの生産などにより大量の二酸化炭素が大気中に放出されます。また、大気中の二酸化炭素の吸収源である森林が減少しています。これらの結果として大気中の二酸化炭素は年々増加しています。
 メタンは二酸化炭素に次いで地球温暖化に及ぼす影響が大きな温室効果ガスです。メタンは、湿地や池、水田で枯れた植物が分解する際に発生します。家畜のげっぷにもメタンが含まれています。このほか、天然ガスを採掘する時にもメタンが発生します。


人為起源の温室効果ガスの総排出量に占めるガスの種類別の割合 (2010年の二酸化炭素換算量での数値: IPCC第5次評価報告書より作図)

温室効果ガスの濃度の変化
 二酸化炭素の大気中の濃度は過去数百年にわたって280ppm(※)程度でしたが、18世紀半ばから上昇を始め、特にここ数十年で急激に増加しています。これは、動力などの燃料として石炭や石油が大量に使われるようになったためです。
 二酸化炭素以外の温室効果ガス(メタン、一酸化二窒素など)も、同様に18世紀半ばから急激に増加しています。これは、増加した人口をささえるための農業や畜産業などの活発化にともなう、耕地の拡大、肥料の使用の増加、家畜の増加などによるものと考えられています。

地球規模の気候の変化
 地球温暖化にともなうものと考えられる様々な地球規模の変化が観測されています。

温度計が使われるようになった1850年以降の記録からは、世界の平均気温の上昇傾向が明らかです。
水温上昇にともなう海水の膨張や、氷床や氷河が融けて海に流れ込むことなどによって、世界平均の海面水位は上昇しています。世界平均の海面水位は1901~2010年の間に19cm上昇したと見積もられています。
北半球の積雪面積や北極海の海氷面積が減っています。


(上)世界平均地上気温、(下)潮位計と人工衛星データによる世界平均海面水位の変化。気温の変化は、1961~1990年の平均からの差。色はデータセットの違いを表す。( IPCC第5次評価報告書 より)

地球温暖化と海洋
 地球温暖化を考える際、地球表面の7割を占める海洋の存在を無視することはできません。海洋は地球温暖化の進行をやわらげる役割を担っています。例えば、1971年から2010年までの40年間に地球全体で蓄積された熱エネルギーの9割以上は海洋に吸収されています 。また、地球温暖化の原因である人間活動によって放出された二酸化炭素の約3割を海洋が吸収して、大気中の二酸化炭素の濃度の上昇を抑えています。
 一方、海洋は熱を吸収することで、自身も温暖化しています。海水温の上昇により海水が膨張し、海面水位が世界的に上昇しています。海洋は大気に比べて変化しにくいですが、いったん変化してしまうとその状態が長く続きます。このため、地球温暖化により海水温の分布や海流が変われば、長期間にわたって気候に影響を及ぼすことが懸念されています。このように、海洋の温暖化は、直接的、間接的に、私たちの社会に大きな影響を与える可能性があります。
 世界の海洋の変化を把握するため、世界気象機関(WMO)をはじめとした国際機関や世界各国の政府や研究機関が連携して、海洋の観測が行われています。日本では、気象庁が1930年代に観測船による海洋観測を開始しました。また、海洋の二酸化炭素濃度などの温室効果ガスの観測を1984年から続けています。


観測船による海洋観測
海の中の温度や塩分を測定するセンサーと海水を採取する装置を組み合わせた観測機器が、現代の海洋観測の主役です。

地球規模の気候変化の予測
 気候が将来どのように変化するか、世界中の研究機関が、それぞれ開発した気候モデルを使って、コンピュータによる将来の予測を行っています。予測結果は、それぞれの気候モデルの特性や、用いるシナリオ(将来の温室効果ガス排出量の違いに応じた大気中濃度の見通し)によって少しずつ異なります。このため、それらの予測結果のどれかひとつだけを正しいと決めることはできません。
  気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第5次評価報告書 にまとめられた世界中の研究機関の気温の予測結果は、以下のようになります。
21世紀末の地球の平均気温は20世紀末に比べ、温室効果ガスの大幅な削減を行った場合は約0.3~1.7℃、非常に高い温室効果ガス排出量が続いた場合は約2.6~4.8℃上昇する。
気温の上昇の程度は地域によって異なり、陸上や北半球の高緯度で大きくなる(下図参照)。
今後の温室効果ガスの排出量が多いほど気温の上昇が大きい。
 非常に高い温室効果ガス排出量が続いた場合、海面水位は21世紀末に約45~82cm上昇すると予測されており、また、今世紀中頃までに北極海の氷が夏季には完全に融けてしまう可能性が高いと予測されています。さらに、極端な高温や大雨の頻度が増加する可能性が高いと予測されています。

21世紀末(2081-2100年の平均)の気温の変化の予測
複数の気候モデルによるRCP8.5シナリオ(非常に高い温室効果ガス排出量が続いた場合)の予測結果を平均したもの。1986-2005年の平均気温からの変化を示す。( IPCC第5次評価報告書 より)

以上、気象庁HPより抜粋しました。


ここで、もう一度問題を見ると

(a)最近のおよそ100年間の地上気温の変化傾向を見ると、世界の気温上昇の割合は海上より陸上の方が大きく、陸上のうちでは北半球の高緯度地域で大きい。
(b)最近のおよそ50年間に大気中の温室効果ガス濃度の増加にともなって地球全体で増加した熱エネルギーの約9割は海洋に蓄積されていると見積もられている。
(c)地球温暖化に伴う世界平均の海面水位の上昇は、海水温の上昇と北極海の海氷の融解による海水の体積の増加が主な原因であると考えられている。

(a)はそのとおりで、海の方がゆるやかに温度上昇します。しかし、下がるのもゆるやかですから大変です。

(b)もそのとおり

(c)は間違えやすい。
海水温上昇で海面水位は上がるが、北極海の海氷の融解は関係ない。
海氷のくずれる映像などがあるが、北極海の浮いた氷がとけても海面水温はあがらない。

よって解答は



おはようございます。
こちら寒さはおさまりました。
そちらはいかがですか?

今日もいい日にしましょう。
good time!


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