アミノ酸サプリメントの選び方①
アミノ酸サプリメントって、
BCAAとかEAAとかプロテインもアミノ酸の結合体だし、
種類がいろいろあり過ぎて、
「で、何買ったらいいの?」
ってなりますよね?
それらについて説明します。
が、それを説明する前に知っていて欲しい話を最初にします。
アミノ酸amino acidとタンパク質proteinの基礎知識
基本事項:
①タンパク質は20種類のアミノ酸が結合して作られている。
②タンパク質はアミノ酸に分解されてから吸収される。
すると頭のいい人たちはこう考えるかもしれません。
「だったらどちらかだけでいいよね?」
「安いプロテインだけ飲めば十分じゃないの?」
いい質問だと思います。
そして半分正解です。
ですが使い分ける方法が最適解です。
なぜか?
まずはそれぞれの特徴を整理します。
アミノ酸:
・既に分解されていて分子量が小さいため速く吸収される。
・運動に有益なアミノ酸だけを的確に摂取できる
・高価格(質量あたりの価格はプロテインサプリメントの約10倍)
タンパク質:
・アミノ酸に分解してから吸収されるため吸収に時間がかかる。
※ポイント→タンパク質を吸収するには内臓がエネルギーを使って働く必要がある
・タンパク質を構成するアミノ酸が製品によって様々。プロテイン単独では運動に有益なアミノ酸を的確に満遍なく摂取することはできない。
・圧倒的な低価格
そう聞けばさらに頭のいい人はこう考えるのではないでしょうか。
「プロテインを運動2時間前に飲めばアミノ酸飲んだのと同じ効果でコスパ最高!」
これも半分正解です。
実際僕は筋トレの場合はトレーニング直前にプロテインを摂取することがあります。
そうすればトレーニング直後のゴールデンタイムに焦って摂取しなくてもいいので。
最高のパフォーマンスを発揮するなら運動前に摂取すべきはアミノ酸
ギリギリを攻めて1秒を削り出すようなランニング(インターバル走やレースペースロング走、タイムトライアルといったいわゆるポイント練習)をする場合はやっぱりアミノ酸を使用したほうがいいし、運動前にタンパク質を摂取するのは控えるのがベストです。
なぜか?
まず、カロリーを含む食物は「糖質・タンパク質・脂質」の3つに分類されます。
安静時心拍数を測定している方なら気付いているかもしれませんが、食事直後は安静にしていても心拍数が上昇しています。
これは内臓が食品の分解にエネルギーを使っているためです。
そして消化・吸収速度が速い順に
「糖質>タンパク質>脂質」
糖質が最も内臓に負担をかけずにエネルギーを摂取することができ心拍数は速やかに低下しますが、
脂質の多い食事や酒類を摂取すると心拍数が長時間にわたり上昇します。
タンパク質を摂取することは脂質ほどではないにしても摂取後しばらくの間心拍数は上昇を継続し、エネルギーを失うことになります。
(※「ラーメンを食べると汗をかくからゼロカロリー」という理論もゼロカロリーではないにしてもあながち間違いではありません。)
内臓が働いて安静時でも心拍数が上昇している状態で全力で走ろうとしても当然最高のパフォーマンスは発揮できないし、食品の分解が妨げられて腹痛・下痢・嘔吐も生じます。
また、いくつかの種類のアミノ酸はパフォーマンスアップに統計学的有意な効果を発揮しますが、多種のアミノ酸で構成されたタンパク質からアミノ酸を取り入れても、効果的なアミノ酸を必要時に十分量吸収できているか定かではありません。
そのため、
「最高のパフォーマンスを発揮するために運動前に摂取するべきはプロテインではなくアミノ酸」
となります。
(※アミノ酸だけ摂ればいいという話ではなく、速く走るためには糖質摂取も必要。というか糖質摂取の方がはるかに重要。)
2時間程度の練習やレースなら運動前だけのアミノ酸摂取で事足りるかもしれませんが、ウルトラマラソンやトレイルランのレースのような長時間の運動になる場合は運動前だけにアミノ酸を大量に摂取して蓄えておくのではなく、レース中もアミノ酸粉末やジェルを用いてこまめに摂取していく方が内臓のトラブルを少なくできます。
反対に、全力を出さないジョグやいつでも中断してトイレに行けるようなジムでのトレーニングなら摂取内容やタイミングをそこまで厳密に考えなくてもよく、僕が起床直後にアミノ酸ではなくプロテインを摂取してからジムに行ったり数キロ程度の通勤ランを始めるのもそのためです。
最後に、
アミノ酸はパフォーマンス向上と疲労予防目的に使用すべきもので運動前に摂るのが基本です。
僕がよく言うのは
「サプリメントはポケットの中に持っているだけでは効果は何も発揮されない」
ということです。
運動前だけでなく運動後にも摂取するのは2時間以上の運動だった場合や次の運動のタイミングが直後に控えている場合だけでよく、
運動後は基本的に食事やプロテイン摂取で対応するのがベストだと思います。