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【西村の勝手にアートブック・オブ・ザ・イヤー2024】
今年出版された美術系の書籍のなかから、西村が勝手にベスト1を決定します。月刊美術の新刊情報コーナーで今年紹介したおよそ130冊の候補から選びました。リンクはnoteに書いた私の紹介文です。
■日本のアートブック部門 ベスト1■
『学芸員しか知らない 美術館が楽しくなる話』
ちいさな美術館の学芸員 著 産業編集センター 216ページ 四六判変型 1,600円+税
都内の美術館に勤務する現役の学芸員が匿名で著した、美術館運営の日常。
■日本のアートブック部門 次点■
『アートコレクター入門: 銀座老舗画廊の主人と学ぶ特別教室』
田中千秋著 平凡社 384ページ 3300円+税 四六判
画廊で月一回開催される「アート講座」8回分という架空の対話型講義で語られるアート論。
■翻訳されたアートブック部門 ベスト1■
『著作権はどこへいく? 活版印刷からクラウドへ』ポール・ゴールドスタイン著 大島義則ほか訳 勁草書房 四六判 344ページ 3000円
実際の著作権問題を議会や裁判所がどう向き合ってきたかをドラマのように描き出す。
■翻訳されたアートブック部門 次点■
『世界奇想美術館 異端・怪作・贋作でめぐる裏の美術史』
エドワード・ブルック=ヒッチング著 田中久美子◉監修 3500円+税 日経ナショナル ジオグラフィック刊 25.2×19.6cm 256ページ
『地獄遊覧』の著者による歴史に埋もれた「裏の美術史」。
■海外のアートブック部門ベスト1■
『How to Collect Art』
Magnus Resch著 Phaidon Press刊 232ページ 4,821円
『画廊の経営(Management of Art Gallery)』『アーティストで成功する方法(How to become a successful Artist)』といった、アート業界の担い手になる指南書を続けて刊行してきた著者が、アートコレクションをガイドする。前掲の田中千秋著『アートコレクター入門: 銀座老舗画廊の主人と学ぶ特別教室』とは全く違うアプローチのコレクション指南。
https://note.com/246ra_takatoshi/n/n7c10b7bd79b5?magazine_key=mc52e704db05b
■補遺 今年紹介したけども昨年の出版だったため選から漏れた本■
『なぜ美術は教えることができないのか: 美術を学ぶ人のためのハンドブック』
ジェームズ・エルキンス著、 小野康男・ 田畑理恵訳 三元社刊 444ページ 四六判 4000円+税
美術教育の歴史を遡る。現在、芸術家は才能ある労働者でも社会に不可欠な一員でもなくなってしまっている。その理由がよくわかる。
すべての候補作は下記に記してあります。
以上。