西村孝俊

美術誌「月刊美術」の編集者です。コンクール「美術新人賞デビュー」の運営で気づいたことや、プロの画家になる秘訣について書いていきます。 また【美術・アート系のブックリスト】に書いた本の紹介は本誌「月刊美術」の新刊紹介コーナーに抄録することがあります。

西村孝俊

美術誌「月刊美術」の編集者です。コンクール「美術新人賞デビュー」の運営で気づいたことや、プロの画家になる秘訣について書いていきます。 また【美術・アート系のブックリスト】に書いた本の紹介は本誌「月刊美術」の新刊紹介コーナーに抄録することがあります。

マガジン

  • 美術・アート系の本

    美術に関する新刊・近刊を中心にしたブックレビューです。

  • 講義「アーティストになるための武器」

    美術大学で講義した内容をもとに、画家・美術家になる方法を解説しています。ステートメント、CV、バイオグラフィーの書き方、ギャラリーの分類など、主に画家として必要な心構えと方法を17項目で説明。番外編・補遺もあります。2021年8月有料記事化。(記事の購入はPCからお願いします。スマホ未対応です)

  • プロの画家になる秘訣

  • アートの周辺

    美術雑誌の編集のかたわらで気づいたことを書き留めていきます。

最近の記事

【美術ブックリスト】 『猫を愛でる近代 啓蒙時代のペットとメディア』

いまでは愛らしいペットの代表格のネコだが、愛玩動物になったのは近代以降。かつては害獣対策、薬用や祝祭の犠牲にも供されていた。ではなぜ、どのようにして愛でられるものになったのかを啓蒙期フランスの科学・文学・美術を通して現在のネコ観の誕生に迫る。ちなみに著者は犬好き(あとがき)らしい。 貝原伴寛◉著 名古屋大学出版会◉刊 A5判 496ページ 6300円

    • 【美術ブックリスト】 『種村季弘・異端断片集 綺想の美術廻廊』

      種村季弘は異端的・暗黒的な文化や芸術に精通したドイツ文学者、評論家。没後20年を機に、「吸血鬼」「化身」「怪物」「魔術」をめぐる言葉と、 北見隆、建石修志、山本タカトなど現代美術作家21名の作品とが、時空を超えて邂逅する。評論家を作家が追憶する異色のオマージュ。 齋藤靖朗◉監修 芸術新聞社◉刊 A5判 224ページ 3300円

      • 【美術ブックリスト】 『浅井忠、あちこちに行く -むすばれる人、つながる時代—』

        千葉県立美術館開館50周年記念特別展として開催された同名展の公式カタログ。日本画、工芸、図案など多様な分野で活躍した浅井忠(1856-1907)の約200点の作品と絵葉書等約1500件の関係資料を所蔵する同館の研究成果を一望。知られざる人物像にも迫る。 千葉県立美術館◉編集 堀之内出版◉刊 B5判 280ページ 3300円

        • 【美術ブックリスト】 『民藝のみかた』

          日本に4年滞在した東洋美術史のアメリカ人研究者が1958年に発表したガイドブックの邦訳。民藝の精神から説き起こし、陶器、籠、漆器、玩具、織物、絵画、1950年代の民藝運動の隆盛にいたるまでを平易に解説する。外国人が日本に求める情緒がわかる。 ヒューゴー・ムンスターバーグ◉著 田栗美奈子◉訳 作品社◉刊 A5判 200ページ 2700円

        • 【美術ブックリスト】 『猫を愛でる近代 啓蒙時代のペットとメディア』

        • 【美術ブックリスト】 『種村季弘・異端断片集 綺想の美術廻廊』

        • 【美術ブックリスト】 『浅井忠、あちこちに行く -むすばれる人、つながる時代—』

        • 【美術ブックリスト】 『民藝のみかた』

        マガジン

        • 美術・アート系の本
          420本
        • 講義「アーティストになるための武器」
          23本
          ¥1,100
        • プロの画家になる秘訣
          14本
        • アートの周辺
          19本

        記事

          【美術ブックリスト】 『デジタル時代のコレクション論』

          美術館、博物館、図書館、企業、個人などによるデジタルコンテンツの収集、保存、活用を巡る諸問題を解説。ネットワークを通じたコレクションの構築、マイクロコンテンツの活用など現代における具体的な事例を提示。「NFTアートとコレクション」はコンパクトに問題をまとめている。 中村覚、逢坂裕紀子◉責任編集 勉誠社◉刊 A5判 304ページ 3500円

          【美術ブックリスト】 『デジタル時代のコレクション論』

          【美術ブックリスト】 『意味がわかるとおもしろい! 世界のスゴイ絵画』

          古今東西75の名画を厳選し時代背景や画家のエピソードをわかりやすく解説する面白図鑑。《バベルの塔》は何のために建てられたのか、《見返り美人図》はなんで顔がよく見えないのか、ゴッホが名作《ひまわり》を7枚も描いた理由など、謎解きをしながらアートの知識が身に付く。 佐藤晃子◉著 伊野孝行◉絵 Gakken◉刊 A4変 180ページ 2500円

          【美術ブックリスト】 『意味がわかるとおもしろい! 世界のスゴイ絵画』

          【美術ブックリスト】 『新装版 はじめてでも基礎から身につく 石膏デッサンの描き方教室』

          2020年に発行した同名書籍の新装版。すいどーばた美術学院工芸科講師が、難しいと思われがちな石膏デッサンを基礎から解説する技法書。実際のデッサンを繰り返すなかで疑問に感じたりつまづいたりした点を本書を参考に解決するといい。 田代聖晃◉著 グラフィック社◉刊 B5判 180ページ 2200円

          【美術ブックリスト】 『新装版 はじめてでも基礎から身につく 石膏デッサンの描き方教室』

          【美術ブックリスト】 『見えるものを描かず、見えないものを描く』

          映画『君の名は。』の背景美術を手がけたポーランド出身のクリエイターの著者が、長年執筆してきたブログエッセイを中心に、アートに対する考え方や人生観などを再構築する。アーティストとしての心構え、道具について、ライフスタイルについてなどを解説。 テウシュ・ウルバノヴィチ◉著 玄光社◉刊 A5判  320ページ 2400円

          【美術ブックリスト】 『見えるものを描かず、見えないものを描く』

          【美術ブックリスト】 『家族写真の歴史民俗学』

          家族写真という身近な文化から、社会と個人の関係を描く。日本最初の夫婦写真、戦争期の写真、戦後の子供を中心にした写真、家族写真のアート化など、変容とその時代的意義を考察する。スマホ撮影とインスタでの配信が主流となった現在の家族写真についても知りたかった。 川村邦光◉著 ミネルヴァ書房◉刊 A5判 376ページ 3800円

          【美術ブックリスト】 『家族写真の歴史民俗学』

          【美術ブックリスト】 『落合朗風』

          島根県立美術館開館25周年企画展「落合朗風 明朗美術連盟と目指した世界」の公式図録兼書籍。落合朗風は大正から昭和にかけて活躍した日本画家。横山大観を感嘆させ、帝展、川端龍子の青龍社などで中心的に活動したが40歳で病没。その斬新な日本画に驚く。 五味俊晶◉編集 求龍堂◉刊 B5変 256ページ 3000円

          【美術ブックリスト】 『落合朗風』

          【美術ブックリスト】 『日本画家小譚マンガで読む巨匠たちの日常』

          京都市立芸術大学を卒業した著者が、竹内栖鳳、上村松園、土田麦僊、小野竹喬、横山大観といった近代日本画の巨匠たちの意外なエピソードをマンガで伝える異色の人物伝。崇高で近寄りがたい芸術家のイメージをくつがえす。美大の日本画専攻の制作室など現在の状況も垣間見せる。 河野沙也子◉著 青幻舎◉刊 B5変 184ページ 1800円

          【美術ブックリスト】 『日本画家小譚マンガで読む巨匠たちの日常』

          補遺2 アメリカ・アイオワ州の芸術教育大学の「アーティストステートメント・フローチャート」

          アメリカ・アイオワ州の芸術教育大学が発行している「アーティストステートメント・フローチャート」を見つけたので、アップしておきます。 1 あなたの作品を説明してください ・作品は何に見えますか? ・主題は何ですか? ・表題は何ですか? ・明らかに分かる特徴や原理はありますか? 2 どうやって作品を制作しましたか? ・何の素材でできていますか? ・制作にあたっての道具、技術、作り方とは? 3 作品の背後にはどんなアイデアがありますか? ・作品制作にインスパイアしたものとは? ・

          ¥1,100

          補遺2 アメリカ・アイオワ州の芸術教育大学の「アーティストステートメント・フローチャート」

          補遺1 シカゴ美術館附属美術大学の「アーティストステートメントの書き方ガイド」

          アメリカ・シカゴのシカゴ美術館附属美術大学(School of the Art Institute of CHICAGO)が発行しているアーティストステートメントの書き方を記したリーフレットが見つかりましたので、掲載しておきます。 ざっと内容は以下。 アーティストステートメントとは何かについて ・作家自身が書く文であること ・鑑賞者の作品理解に役立つものであること ・一人称で書くこと などが冒頭で確認されている。 アーティストステートメントの使途 ・展示会 ・助成金申請

          ¥1,100

          補遺1 シカゴ美術館附属美術大学の「アーティストステートメントの書き方ガイド」

          【美術ブックリスト】 『東京藝大で教わる西洋美術の謎とき』

          『東京藝大で教わる西洋美術の見かた』の続編。デューラーが描いた《犀》の見せかけの写実表現はどうやって生まれたか、ココシュカのマネキンへの異常な愛はなぜ生まれたか、などの問いに答えていく。いわゆる名画の謎解きではなく、作品を細部まで理解するための論考集。 佐藤直樹◉著 世界文化社◉刊  四六判 288ページ 1800円

          【美術ブックリスト】 『東京藝大で教わる西洋美術の謎とき』

          【美術ブックリスト】 『隠された顔 絵巻のなかの尊きものたちの描き方』

          現代と違って平安時代には天皇は顔出しNGだった。絵巻に描く場合、存在を暗示しながらもその顔が見えないように描く技法が宮廷絵師たちによって確立され、それが鎌倉時代に神々にも転用されていった。尊いものの姿を見えないように描く表現の歴史を豊富な図版と資料からたどる「顔なし」の図像学。 山本陽子◉著 教育評論社◉刊 A5判 224ページ 2400円

          【美術ブックリスト】 『隠された顔 絵巻のなかの尊きものたちの描き方』

          【美術ブックリスト】 『都市とアートとイノベーション 創造性とライフスタイルが描く都市未来』

          「都市とライフスタイルの未来を描く」をテーマに2013年から22年まで識者によって開催された会議ICF(Innovative City Forum)の記録。講演、対談、ディスカッションでAIなど新技術やアートの有効性を語る。この議論が現実にどう対応するかはこれからの課題。 竹中平蔵、南條史生、市川宏雄、伊藤穰一◉著 南條史生◉編 幻冬舎◉刊 B5判 176ページ 2500円

          【美術ブックリスト】 『都市とアートとイノベーション 創造性とライフスタイルが描く都市未来』