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ぽっちゃり野良猫|エッセイ

ランニングの途中にいつも立ち寄る公園。

林の中に散歩道が整備され、季節ごとに咲く花々も美しい。

芝生の広場や遊具もあり、子どもたちが楽しそうに遊んでいることも多い。

小さな池には鯉がゆったりと泳ぎ、スカイブルーの羽色をしたカワセミもよく遊びに来る。

晴れた日は林の中に差す、木漏れ日が気持ちいい。

そういうわけで、その公園にやって来る理由はいくつかあるのだが、やはり野良猫たちに会えるのが一番かもしれない。

この日も、野良猫に会えることを楽しみにランニングを一時中断し、お気に入りの公園を散策していた。

すると、人々が通る散歩道のど真ん中で独特の鳴き声を漏らしながら、ゴロゴロと転がっている生きものを発見した。

はじめはタヌキか何かだと思ったが、それは丸々と太った野良のキジトラ猫だった。

「ガーフィールドみたいな野良猫さんもいるんだな」と関心してしまうほど大きな体だった。

ちょうど周りに人はいなかったので、完全に自分の世界をお楽しみの様子だった。

丸っこくてかわいらしいお腹を丸出しにして、空に向かってむっくりした手足を突き出し、目には見えない何かと格闘していた。

できるだけ音がしないようにそっと近づいたつもりだったが、野良猫さんはすぐこちらの存在に気が付いた。さすが野生で生きているだけはある。

人慣れをしているので、逃げることはなかったけれど、見られてはいけないものを見られてしまって恥ずかしかったのかもしれない。さっと起き上がると、わざとらしく日が当たる方に顔を向け、目を細くした。

寝ぼけてましたアピールなのだろうか。

それから野良猫さんは近くにあった木で爪研ぎを始めた。あまり長居をして邪魔をするのも悪いので、野良猫が背を向けている間にその場を立ち去った。

他の子たちにもよろしく。また会いましょう。


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