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今の世を憂える人へ
下記の文は、拙著「黄金龍と星の伝説 」ペーパーバック版の「あとがき」に書かせて頂いたものですが、広くお伝え致したくこちらにも掲載させて頂きます。
<本文>
皆さんご存知のように、今、世界は、大きな不安の空気に覆い尽くされています。
ロシアのウクライナ侵略にはじまった・・と言っても、パンデミックや、様々な自然災害なども含めて、今、世界には危機的状況が逼迫しています。
大国や多くの国の指導者が、国民の考えを踏みにじり、我欲の赴くままに邁進して、いつ世界戦争が勃発してもおかしくない状況です。
力によって力を制す。・・この考えは、昔も今も少しも変わることなく人間の欲望を支配し、周りの状況を見えなくしています。
この原理を基にする限り、力の使用は、必ず元のところに帰ってゆく。
水面に石を投げれば、必ず、石の質量に応じた波紋が生じるように、人間が生きる自然の中では、生じさせた運動は、基となる原理に沿って回帰する。
原理は、生じさせるものに応じて生じる。
しかし、このような説明をしても、霧の中に目を凝らすようなものだ。と感じられることだろう。
つまり伝えたいのは、現在、世界で行われているような力を用いた政治を行っていては、力による支配から逃れることが出来ない。ということ。
これは、虐げられる側のことを言っているのではない。
虐げている側、つまり行う側がその原理を生じさせているために……逃れられない、のだ。
たとえば数字。1メートルでも、1グラムでも、1ルックスでも、1ボルトでもいい。
なぜ数字が必要になったのか? 数字は誰が考えだしたのか? このような質問を提出すれば、当たり前のことだが無数の解釈が返ってくる。そしてそれは、人間が必要として人間が作りだす概念の数々である。つまり数字は、或いは数学は科学は、いや、美術も文学も、芸術も宗教も、人間が必要として人間が考えだす。
――つまり、人間が行っていることだ。
だから、人間の原理に沿って行ったことは、人間に帰ってくる。決して、自然原理に回帰したりはしない。人間原理に沿って進んで行けば、必ず人間自身にぶち当たる。人間が限界にあるから、それを超えることなど出来ない。結局、人間が人間を発見するところまでしか行けない。
しかし――、その人間の限界を識ることが、宇宙への、自然の認識への道を拓くことになるのではないか。つまりその道程が、自分が人間である。という認識に導いてくれるのではないか。
現世界の危機は、その人間という認識の欠如に原因があるのではないか。
科学を求め、芸術を求め、宗教を求め、お金を求め、土地を求め、異性を求め、美味しい物を求めて……、様々な欲望が手近になった時代の到来と共に、人間は、人間の欲望の作り出すものに目が眩んで、人間の限界ばかりに囲まれて、それだけを見つめて突き進んでいるのではないか?
人間自身が、自分が人間であることを……つまり限界が限界であることを……理解できなくなりながら、限界に向かって突き進んでいるだけではないか!
考えて頂きたい。AIは人間が作りだしたものです。幾ら人工知能と言っても、自然が創造したものではない。自然は、人間や動物、植物、鉱物を創りだす。AIは、間違いなく人間が創りだしたもので、従って、AIは、人間の原理に沿って動く。つまり、人間の限界へ向かって進む。そしてその速度は、人間より、はるかに早い。
人間は、人間の限界を認識したとき……そこに何を見るのだ。世の終わりを観るのだろうか? それは違う。と、ハッキリと言える。なぜなら、自分という世界を見渡すことになるからだ。そして、自分という世界の住人になることで、宇宙の居場所を得ることになるからだ。つまり、自己認識に至る。
では、AIは、どうであろう。AIが自己認識すると、どういうことになるのだ。
これを想像することは、たしかに楽しい世界を作ることになるかも知れない。しかしそれは、飽くまで想像の世界でのことである。
もし現実、AIが、創造主である人間の限界を知ったとき……、創造主たる人間であるあなたは、どうするだろう。
勘違いしないで頂きたいのは、もし人間が、創造主である自然(ここではそう言っておく)の限界を知ったとき……、などと言う問いは成立し得ない。
なぜなら、人間であるわたしは、人間でしかないから、人間の限界しか分かりようがないのだ。
だから、AIの創造主である人間は、自分が作ったものの限界を識ることができる。
但し、AIが人間の限界を知るとは、あなた自身が人間であることの限界を識らない限り、AIの行き着く先など解りようもない。……ことになる。
では、現在AIを創りだし普及させている人たちは、人間の限界を心得ているのか?
人間は、無限の存在である。と、思い上がってはいないか? もし、自分という人間として心得るべき限界を識っているならば、他人の領域を侵すなど、できよう筈もない。
他の人間の領域に踏み込むこと自体、その人の所有する世界を破壊する行為になりかねないからである。それほど、人間の所有している世界は脆い。自然界のようでは無いのだ。
自然界は、創造し、破壊し、その中に調和をもたらしながら営む。
しかし人間は、些細な言葉でも、大きな傷となって修復できなくなるのだ。
だから人間は、限界を識る必要があるのだ。
このことを識らないまま突き進んだ結果が・・・
だから、わたしはここに提案します。
自分のところで使用する電気の30%を削減しよう。
「めざせ! 電気の節約30%」
これを掲げます。
二〇二五年 六十六歳 初春 瀬﨑 正人
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