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【詩】オブラート



どんな味わいなんだろうと
口にしてみたら




中にはどうも甘ったるい
それでも納得できるような
成分の気になる味わいがあった




オブラートに包んで
その味わいを楽しんで




実際はどうなんだろうと
口にしてみたら




中身のまるで込められていない
抽象的で納得のできそうもない
空虚な言葉が空気を揺らした




オブラートに包んで
誰も傷つけないように




配慮を怠らずに
慎重に口にしてみれば




余韻の後の味わいに
余分な刺激は与えずに
何かを受け取ってもらえるだろうか




オブラートに包んで
じんわり染みていくように




オブラートに包んで
示唆するものを噛み締めて



オブラートに包んで
気づく頃には溶けていて





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オブラートと聞いて想起するのは、
アンパンマンのグミ
それと言葉の言い回し

どちらも「口にする」ものだけど、
口に運ぶものと
口から発するものという差異があります

それって面白いなと思って
詩になりはしないかと思って
言葉を選んでみました

「オブラートに包んで」

我ながら好きなフレーズです


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