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【詩】二人で歩いた


二つ並んだ足跡が
どこまでも続く砂浜



寄せては返す波の揺らぎが



足跡の片方を連れ去った



一つ残された足跡が
砂浜にどこまでも続く



寄せては返す波の揺らぎは



足跡のもう一方を消しはしない



たくさん二人で歩いていたのに
たくさん一人で歩いていくのか



並んで歩いて語り合った
どれだけ歩いたかを
足跡が物語る



並んで歩いて語り合ったけど
どれだけ語ったかは
片方の足跡だけでは知らない



寄せては返す波の揺らぎが



足跡の片方を連れ去った



今はただ一列の足跡が
どこまでも続いていた



誰かがどれだけ歩いたかが目にわかる
一人で歩いていたかのように目に写る



誰の足跡を消したのだろう
隣に残る足跡だけは
誰といたかを忘れはしないだろう



二人並んでみた海と夕焼け
このまま二人でいたかったのに



海の一呼吸に、長く辿った足跡は消され
もう片方が波打ち際を横切っていく



海のいたずらだったのだろうか
砂はその形を覚えているだろうか
風はもう片方を連れていくだろうか
時が孤独を埋めるのだろうか
二人は今も、共にあるのだろうか


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