【ゆるく書くブルアカ】エデン条約編-4「1〜2章感想 それでも信じる それでも足掻く」
エデン条約編2章が幕を閉じました。
本当に色々なことが言いたくてしょうがないのですが、一旦はネタバレなしで感想を述べるべきでしょうか。
でもひとつだけ。めちゃくちゃによかった。
今回公開された第二次学力試験〜エピローグまでのネタバレに関する内容には原則触れない方向でいきます。
疑いについて
今回の1章、2章のテーマとも言える言葉に「疑い」があります。
プロローグの言葉から始まり、裏切り者の探索、そもそも補習授業部そのものがとある生徒の疑いの果てに生まれたと言っても過言ではありませんでした。
その人が何を考え、何を思い、次にどう行動するのか。
些細な断片からそのことを考えると次第に楽観視できないような状況を人は想像してしまう、生み出してしまう。疑いが強くなっていく、その過程で生まれたのがトリニティの補習授業部でした。
人は安寧を求めます。秩序を作ろうとします。人の性悪説に立てばそのためにルールが作られたのだと言えます。
しかしそれは人を信じる価値を貶めることにはならず、むしろだからこそ人を信じることの尊さを叫んだのがここまでのストーリーでした。
他人の心を証明することは不可能である。だからこそ信じることにどこまでも価値があるのだというのがこのエデン条約編の中で感じたひとつです。
誰かの疑心で生まれた補習授業部ではあったものの、それは一つの場と仲間を生み出したことで、互いを信じて助け合う場所へと進化します。そしてそれは誰かの疑いそのものに打ち勝てたのか?そこは是非、最終盤のストーリーをご覧ください。
だとするとやはり気になるのは「もし彼女が少しでも何かを信じていれば、こんなことにはならなかったのか?」というもしも話でしょう。
その先生やプレーヤー自身が感じた「信じることで産まれたはずのif」、
それはたぶん現実の中の私たちの手に委ねられているのかもしれません。
虚しさについて
もう一つのテーマとして往々に出てくるのが「虚しさ」という言葉。
強大な力に全力で足掻いてもなお、足を掬われていく。では何もしない方がいいのではないのか、という考え方を表した言葉でした。
幾多の場面でその虚しさに直面する先生自身。エデン条約編でなくとも過去のメインストーリーでも大きな力と呼ばれる何かをいつもいつも目にします。
砂の城が波にさらわれるが如く儚いもの、でも今回のストーリーにはこの枕詞がつきます。
「でもそれは足掻くのを止める理由にはならない。」
いつか崩れるものだとして、無意味なものだとして、それが砂の城を作らない理由にはなりえない、という言葉。
この言葉の意味が今回の物語で大きく生徒達の心に作用していきます。
最終盤ストーリーになるにつれてその相対する力の強大さはとんでもない規模になります。
それでも先生と補習授業部が足掻くその跡は私たちにどう映るでしょうか。
この虚しさとの戦い、是非ご自身の目で確かめていただきたい。ここから先はマジで何を言ってもネタバレになる気がするので。
さてさて、まだこれで終わらない、というかエデン条約に至っては調印の兆しすらありません。トリニティにゲヘナ、さらには未だ火種の残るあの勢力の蠢くキヴォトスにまだ青く澄んだ空は見えず、より強い暗雲はそこまで近づいています。
ここからは本当にややネタバレあるかもしれない雑多な感想になります
本当に出てくる面々のキャラが濃い。
補習授業部のメンバーそれぞれに対してある程度疑いをもって臨まなきゃならない序盤、そこから彼女達の裏側を目にし、次第に増える役者達に目を移らせた中盤、そして最終盤……見てて本当に良い物語だったなと噛み締めています。
トリニティ、さらにはゲヘナの多種多様、立場も異なる面々にやや振り回されつつも生徒の味方に徹し続けた先生。
突飛な行動で惑わせつつ、それ以降のとんでもない勢いでその強さを発揮し、最終盤ストーリーで出てくると格が上がるしかない少女、浦和ハナコ。
彼女はお前星2ではないだろみたいな活躍をとくに最終盤から見せます。トリニティの秀才ともいうべき活躍の裏には他の補習授業部との物語の中での変化がありました。彼女、今後アナザーバージョンでレアリティ格上げがってもおかしくないかもないかなと思います。
そして、今回のキーマンにふさわしい活躍をし続けた白洲アズサ。
アズサの思い、行動がなければほぼ今回のストーリーが破綻していただろうと言えるほどの存在感。そして彼女の存在自体が今後のストーリーにも大きな影響があることは確定でしょうし、彼女に逃げ場はないと誰かさんは言いますが、結果として補習授業部とシャーレは彼女の場所を作ったのです。ある程度は何があろうとも大丈夫でしょう。
随所でムードを良くし続けて、他の3人とも仲良くなった下江コハル。
序盤から警戒心強かったのに、終盤アズサと仲良いのめちゃくちゃよかったなと思います。
正義実現委員会の一角としての活躍をひたむきに望む彼女の姿には一種の清涼剤のような働きもありました。
そして今回の事件にやや不運な形で巻き込まれて、それでも部長として、悩みながらも自分の出来ることから他のメンバーをサポートし続けた阿慈谷ヒフミ。
本当に彼女が部長で良かったと思います。自称常識人の彼女の持つ感性があったからこそ、補習授業部がただの落第を免れるだけ、あるいは虚しさの前に滅びを待つのみの組織にならなかったと言えるでしょう。もちろんそこには先生のサポートも他の3人それぞれの頑張りもあってのことでしょうけれど、彼女自身の謙遜できないほどの力を見せてくれたように思います。