【サマポケ】鴎ルート、しろはルートと「夏休みの過ごし方」

19歳のHAL、初めてのギャルゲーに手を出しました。まあそんな私情はさておき、Key作品の最新作である「Summer Pockets」をswitchで買いました。

「CLANNAD」など名前くらいは聞いたことあるって感じだったのですが、無性に甘酸っぱい恋をしてみたいと気になって色々調べてみた結果、これに行き着きました。

現在2周目が終わって、ルートクリアは鴎としろはの二人です。にわかなのであまりどうとは言えないのですが、つらつらと色々書いてみたいと思います。ネタバレ注意なので覚悟のある方のみスクロールしてください。




最初のルートは鴎でした。なんか最初なので気の赴くままにやってみたらこうなったので、もしかしたら自分にあってるヒロインなのかもしれません。……気持ち悪いことはこのくらいで置いときましょう。

このルートに関してはマジで自分がミスリードに嵌ったので当初中盤あたりで「このシナリオで彼女はメインヒロインじゃないのか…!?」なんて思ったのですが、クリアをして、さらにしろはルートも見ると全く違う視点だったのだなと。一言で言えば「鴎という不思議な少女は果たして何者なのか」ということがいわゆる主なテーマになってると思います。しろはルートで堀り下げられる主人公の問題などにはあまり触れられません。

ですが文字通りの冒険譚を読むのでワクワク感は止まりません。彼女がかつて10年前に仲間と残した宝。それを彼女が再び見つけるために主人公は鴎に巻き込まれていく、そして鍵を見つけ、地図を手に入れ、海賊船を見つける夏休みへと変わっていく。特別なものへと。タップする指も気持ちも昂っていました。

しかし、それは鴎が作り出し、彼女の母が書いた「ひげ猫団の冒険」という物語の世界を現実で体験するために、2年前から作成していた仕掛けであり、主人公が今まで見ていた鴎という少女は、フィンランドにて闘病中(それもかなり深刻な状態である)の本当の鴎が作り出した、いわば「夢の中の存在」だったというのを見てからはまあ、驚きが止まりませんでした。それまではずっと、物語の中にいるタカという少年=主人公である鷹原羽依里だと誤認していたので(まあ、彼も読者の一人でファンだったということを考えれば間違ってないかもしれませんが)、勝手に「鴎と主人公はかつて現実で会っている幼馴染みなのでは」と考えていました。

その後、主人公は物語を本物にするために動き出します。結果、ただの帆船を海賊船に仕立て、そして大勢の彼女の物語のファンが集まり、彼女がかつてファンレターの返信の手紙に書いた「本物の冒険へと招待する」ことを叶えたのです。

たとえ鴎が現実の存在じゃなくとも、この体験は現実に起こしたこと。

その言葉が胸に残りました。体が弱いながらも芯が強く、この冒険をとても大切に思い、誰もが忘れていた約束を叶えようとした。鴎という少女の強さ、そしてそれが誰かの心を動かしていったのは間違いありません。無論私もその一人です。

忘れられない特別な思い出。それがあるということはとてもすごくいいなと思います。そして主人公がいなければ、鴎も自分のやりたかったことを叶えられなかった。忘れられないような未来とか互いに支え合っている関係とか自分にもあるといいな、とかこれからに願いました。


そして2周目はしろはルートです。

本作のメインヒロインに位置づけられている彼女。ちょっと周囲から浮いていた彼女は主人公との出会いにより、また友人との関係を取り戻していきます。そして主人公もまた同じように、自らの過去と向き合うことになります。そして終盤、彼女が見た死の未来を全力で変えるためにもがく主人公。その後、主人公は自身の過去の失敗は全て無駄なんかじゃなかったと捉えなおし、彼は学校に復帰します。

正直、鴎ルートよりも初見では謎が多いルートでした。その分、鴎ルートよりも主人公自身の問題にも向き合う印象が強いルートです。主人公が実は停学中だったり、水泳部を辞めることになった契機の詳細もここで知ることになりました。またしろはに時々やってくる「別人格」(今の便宜上こう呼んでおきます)やうみちゃんの謎など、詳しくは語られなかった物も多かったので個人的には深く考えることも多かったです。

全部お前のせいだな。

そう言われると自分でもそう考えてしまうことがあります。自分の人生は多くの失敗に見舞われました。今もそうです。後悔、息苦しさ、逃避。そんなものに塗れた自分と重ねることが多かったです。でもいつかそれが無駄じゃないと笑える日が来る。そう感じさせてくれるストーリーでした。しろは自身も同じように成長していくのが愛おしかったり、笑顔や楽しげな表情が増えるたびになんとも言えない気持ちが広がっていきました。あと良一、お前わりとそんな重めの過去持ちかよ…と見る目が変わりました。

忘れていた夏休みの過ごし方。ひと夏の冒険でも、逃げてきた先で自分の失敗と向き合うことになっても、きっとそれが自分にとって忘れられない世界になるのは多分きっと自分にとっての糧です。

浅く言うと「こんな夏過ごしてぇわ」って思える世界観でした。

どちらのルートも結果的に多くの思い出を共有することになった二人の男女…そりゃ好きになるのは当然だよな。

無粋なことを言うとは思いますが、鴎ルートを選んだときに、しろはの死の未来はどうなったのか、しろはルートを選んだときに鴎は一体どうなるのか。ちょっとだけそんなことを気にしたり、夢の存在である鴎やしろはの未来視についてなどの説明とか…そんなこともちらっと思ったり。ほんとに野暮ですね私。

実際に言葉にしてしまうと、言葉でしか表せないそれでしか感じられなくなって陳腐なものになってしまうものかなって書いてると毎回思います。人それぞれの捉え方があるはずなので、これを呼んでしまった未プレイの方は是非やってみてください。きっとこれ以外にも感じるあなただけの気持ちがあると思いますから。

まだ2ルート+trueが残ってるようなので、それの感想とかもいつかあげますね〜。

読んでくれてありがとうございました。


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