見出し画像

この仕事は私でなくても誰でも出来ると考えて転職を試みてしまう貴方へ

 私のような間接部員に多いと思うが、本質的にはルーティンワークが多い。人間は1度できたことは2,3回すると簡単にできるようになるので、それが毎日続くとなると「あれ、ワタシこのままこれをし続けて大丈夫かな?」と思ってしまうのは自然な流れであると言える。
 ただそこでこのままでは何もスキルが身に着かない!こんな誰でも出来ることいつまでもやり続けていたら将来使い物にならない人間になってしまう!と考えて転職を試みることに「ちょっとマッタ」をかけたいお話。

 かくいうジョブホップ偏差値高めの私も前述のように思うことは一度や二度ではなかった。むしろ経理という職業はルーティンを適切に行うことが仕事のような部分があり、それが安心感に繋がっている側面もある。(なので変化には抵抗しやすい)ただ、その安心感に胡坐をかき、毎日同じことをやっていつか肩叩きに合わないかと言われると、不安になる。

 この不安を二つの側面から考える。「そもそも貴方にしかできない仕事とは何か」、ということと「今の仕事は本当に誰でもできるのか」という二面。 

 まず、そもそも「アナタにしかできない仕事」というのは何だろうか。今の時代は確かにユーチュー〇ーなど個人的にアイデア一つで勝負できる時代になった。誰もがナンバーワンにはなれない。だからオンリーワンを目指す。
 ただ、それなら並行してやればいい。転職の理由としては核心ではない。因みに、ナンバーワン≒オンリーワンであるとは思うが、それは一部の名声を得た俳優や、トップアスリートぐらいしかないのではないかと思う。
 それ以外の仕事はほぼ全て「アナタにしかできない仕事」ではない。逆説的に言えば、「アナタにもできる仕事」だ。そうするとチャレンジしたくて転職考えてしまいますね。でも「(アナタにもできる)より良い仕事を求めてチャレンジ」は真っ当な転職理由であるように思う。

 もう一点は「本当に今の仕事は誰にでもできるのか」ということ。ここは少し傲慢に考えても良いかもしれない。日本人は結構、謙虚な方が多い。
 まず、私はほとんどの人の仕事をいきなりこなせる自信は全くない。ピザの宅配でさえ慣れるのに数か月かかった。(意外に配達以外にもやること色々あり、マルチタスク苦手です)
 確かに、大体の仕事と同じように何日か、或いは何か月かすると練達してくるかもしれない。しかし、知らない人がいきなり入って「るー♪」と鼻歌を歌いながらこなせるような仕事というのはそんなに多くは無いだろう。また、数か月経っても練達できない方もいらっしゃるだろう。
 そう考えてみると、意外に貴方の仕事は「誰でもできる仕事」ではないのではないだろうか。つまりは継続的に仕事をし続けることによって専門性や卓越性が発生しているということではないだろうか。(特に大企業では気づきにくいが社内での練達というのが非常に重要になるし、これが転職により失われるリスクは非常に大きい)

 長く仕事に勤められると、大体のことや周辺が理解でき、毎日が日曜日のように感じられてくる(大袈裟に言うと)。そうなると刺激が無くなってきて「このままで良いのか?」という人間特有の「悩みの無い悩み」的なものが偶発的に脳裏を過る。
 その時に「よし、転職だ!」となるのは尚早であるように思う。未だ私が出来たことはないが自分の仕事を「本当に誰でもできるようにする」というのは一つかもしれない。

 常に自分が居なくなることを考えている自分にとって、代わりに仕事をしてくれる人ほど有難いものは無い。

良い、転職の選択を。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?