ボクちゃん 34 三学期後半
ボクちゃん 34
また、ある昼休みの掃除の時期である。
廊下を歩いていると、またまた大きな声が聞こえてきた。
「みなさん、お掃除ですよ、お掃除よ、サッサとお掃除しなさい」と、
井上先生の黄色い声である。
何があったのかと思って、窓の隙間から覗いてみた。
すると、井上先生が、頭にナプキンをつけて、自ら率先して、教室の清掃指導をしていた。
児童達は、このあまりにも奇妙な声に、どうしたらよいのかと、右往左往していてたじろいでいた。
何となく窓の外にいたものの、この井上先生の奇声には、僕もこわばりの表情を隠さずにはいられなかった。
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