顔をあげるウサギ　～HEAD HIGH

あまりにもプライベートなことで抽象的な表現しかできないけれど、去年の終盤から今まで精神的にどうにもがんじがらめになってしまっていた。
自分ではどうしようもない出来事。
人が相手なので思い通りにいかないのは当然なんだが。

ならば自分の意識を変えればいいと、本来ポジティブ思考の私はいろいろ試してみたものの、どうにもうまくいかない。
自分の意識さえコントロールできないことに嫌気がさし、自己嫌悪に陥ってさらに精神状態は悪化するばかり。

前向きになるのなんてカンタン！って思っていたけど、そんなことはないと思い知った。
自分はたまたまポジティブ思考を携えて生まれついただけだったのか。
だからこれまでなんなく前向きでいられたのか。
努力ではポジティブ思考になれないんだな。
これからは他人に“前を向け”と簡単に言うのはやめよう。
そうしたくてもできない人はいっぱいいるんだろう。

事の方向を変えてみようとしたり、時間の経過に希望を託してみたりしたけれどなかなか上手くいかず、悶々と過ぎていく日々。
そして、人生って自分の思い通りにはいかないのね、などと感じているうちに全く思いもよらない展開になって、ブツっと断ち切られたように事は終わった。
完全に自分ではどうにもできなくなってしまって、諦めて手を引くしかない。
ほんっとうに人生ってやつは！

もどかしさと入れ替わって訪れた大きな喪失感に、しばらく立ち直れずにいたけれど、ここへきて少しだけ吹っ切れてきたような気がする。
というか、そうしなくてはならないと、自分に無理やり思い込ませている。

この歳になって対人関係で悩むなんて思ってもみなかったけど、いくつになっても人間は弱さを持っているってわかった。
そして、いろいろ悩んでたくさんのことを考えて、自分の心がちょっと柔らかくなった気がする。
そのことには感謝したい。

そして、しばらく描けずにいた絵を描いた。
毎年新年に向けて干支をモチーフに描いていたけど、昨年末は描けなかった。

一歩踏み出す決意を込めてみた。
実はまだ傷は癒えていないけど、歩いているうちに包帯もとれるだろう、多分。
ようやく今、自分の新しい年が明けたような気がしている。
がんばろ。

満身創痍のウサギ
顔をあげる