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中間管理職のいらない「役割組織」をつくるためにやったこと。

こんにちは、am.代表取締役/70Seeds編集長の岡山史興です。

先日公開した「ベーシックインカム社員」記事にはたくさんの反響をいただき、ありがとうございました!



さまざまな立場から多くの方が反応をくださって嬉しい限りです…!

このマガジン『恐竜は死ぬ』では規模の拡大よりも価値伝達の適正化が中心になっていく「小さな営みの時代」における、事業と組織のありかたをめぐる私の実践についてまとめています。


さて、今回記事で7枚のイラストとともにご紹介するのは「ベーシックインカム社員」制度を導入したことで現実感の増した、役職を置かない「役割組織」というもの。

あなたはこんなことを思ったことはありませんか?


中間管理職って本当に必要なんだっけ?


様々な組織のインターナルブランディングで、ビジョンの言語化~浸透や組織設計に関わってきた私。

ご相談くださるクライアントのほぼすべてに共通する声、それは「中間管理職(ミドルマネジメント)」がボトルネックになっている、という嘆きでした。

それは、既にそれなりの規模になっている大企業~中堅企業に限らず、急成長する数十名~百名規模のスタートアップにも訪れる病。

そんな光景を見ながら考えたのが「そもそも「役職」構造でできた組織自体に無理があるのではないか」ということ。そして私はこう決めたのです。


「自分の会社には役職をつくらないようにしよう」


これまでの「役職」組織が縦のつながりだったとすると、「役割」組織は横のつながりでできた組織。

「上司だから」「先輩だから」という強制力ではなく、ビジョンに共感したメンバー同士が「あの人はあれが得意だから」「自分にないものを持っているから」という理由で必然的に協力し合う関係を生みたい。


その方がきっと、幸せに働けるんじゃないか・・・?


でも、正直むずかしくない?


この「役割」組織を実現するためには、①横の連携で仕事ができる規模であること、そして②協働しあうひとりひとりが自律した個人であることが条件になると考えました。

さらに、ビジョン実現のためにはその「場」が持続的に存在できる事業も必要です。


それってどうやったらできるんだろう…と考えた結果、こんな人事/評価制度を試行することにしました。


給与は能力とコミットで決まる&積極的に外に出る


役職の必要ない組織であり続けるために、「役職ではなく役割」に対して評価される価値観、そして社内に人を抱え続けるのではなく、「力がついたら外に出る」選択肢がフラットに提示される環境をつくりました。

そうすることで、「組織としての適正規模を保ちつつ」「関係人口は増えていく」という成長の仕方が実現できるんじゃないか、と。


とはいえ、経営者としては共感度の高い人には長く深くコミットしてもらいたい、という本音もあります。

そんな思いから設計した、「自律した個人」づくりにつながる目標設定の考え方がこちらです。


個人と組織のフォーカスを無理なく近づける


従来目標設定というと、「組織のためにどう動くか」を通達される場、というものでした。

「役割組織」では、

1.個人の「できること」で組織の課題がどう解決されるか

2.個人の「やりたいこと」が組織のフォーカスにどう活きるか

を考えることで、組織と個人の行動を無理なく近づけることに取り組んでいます。

そうすると、「できること」が広がった個人ほど、組織を活かして「やりたいこと」を実現できるので、結果として「深く長い」付き合いになるんじゃないか・・・と考えています。


そしてここで、「ベーシックインカム(BI)社員」の存在が肝になるのです。


上司ではなく「コーチ/メンター」がいる組織


正直なところ、「結局人数が少ないからトップがマネジメントできているだけ」の組織というのが当初の実情でした。

ですが、現場社員が成長し自律化してきたこと、そして新たに加入した「プロ・ベーシックインカム社員」が社員の成長を後押しする「コーチ」的な役割を担ってくれたことで、そのフェーズを脱しつつあります。


さらに、この経験は私の「小さな”営み”の時代」への確信をより強いものにしてくれたのです。


1社ですべて賄う時代の終わり


「役職」組織の思想の根底にあるのは、「大きな組織」が規模の力によって社会をよくしていく、という考え方でした。

ですが、時代は変わり、個人の価値観の多様化が進む現代。

ひとつの「正解」ではなく、皆でつくる「最適解」が求められる時代です。

個人の働き方も、企業の事業も、ビジョンが近いもの同士で様々なアプローチをとることが「最適解」を実現するというゴールに向けた、「社会のポートフォリオ」を強くすることにつながるのです。


世の中をよくするため、儲かるのは1社だけである必要はない。

人を育てる環境も、事業を育てる環境も1社の中で完結する必要はない。

外の力を使いながら、支えあってよりよく”なって”いくのが人と人とが寄り集まってできた「社会」の本質なのではないでしょうか。


次回はそんな時代に必要な、僕らが定義する「価値の編集」というスキルについてまとめる予定です。

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岡山史興
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