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ボンダイビーチとおしゃれなランチ【日仏夫婦のなれそめ-🇦🇺2:オーストラリア縦断ロードジャーニー/シドニー編③-】

【目次】チャプター1:出会い編
▶︎第1弾 最愛の夫の第一印象が最悪だった話
▶︎第2弾 策士なの?天然なの?ねえどっち?
▶︎第3弾 絶対に忘れられない恥ずかしすぎる初めてのキス
▶︎第4弾 当たり前の関係
▶︎第5弾 そうだ!シドニーに行こう!

【目次】チャプター2:ロードジャーニー/シドニー編
▶︎第1弾 ゴールドコースト〜バイロンベイ〜シドニーまでの旅
▶︎第2段 念願のシドニー到着

その日は朝からボンダイビーチに行ってみることにした。せっかくオーストラリアにいるのだから海の近くに住みたい!シドニーでビーチといえばボンダイビーチというところが有名らしいということでどんな雰囲気なのか見に行ってみることにしたのだ。

素敵なビーチには間違いなかった。

ただ、今までゴールドコーストというどこまでもつづく美しいビーチの近くに住んでいたし、オーストラリアに来る1年前ハワイに住んで全米ベスト・天国のビーチ(ラニカイビーチ)で毎週遊んでいた私にとっては人が多すぎて正直魅力的なビーチには映らなかった。
(ほんと慣れって怖い。当時の自分を殴ってやりたい。)

ビンダイビーチに来たことがあった彼は、私が喜ぶと思って連れてきたのにパッとしない私の反応をみてそれはそれはがっかりしていた。当時インスタグラムにハマっていた私は、海そっちのけで海辺に描かれたビーチ沿いのアートめがけて一直線で写真とろーとはしゃぐ私に苦笑いしながら付き合ってくれた。

ロードジャーニー中とはいえ、服がダサすぎて絵にならない人の写真はこちら。

そして実際にインスタに採用されたのはダサい服が写っていない&素敵なあんまり絵も写っていないこちら。は。

▶︎Billsで昼食を

その日朝ごはんも食べずに来たのでお腹がぺこぺこ。もちろんBillsで美味しいランチが食べたくて朝食を抜いてきたのだ。それが計算違いになろうとは誰が想像していただろうか。

パンケーキを楽しみに来たはずなのに、お腹が空きすぎてつい先にガッツリしたものを頼んでしまった私たち。(笑)食べ終わった後に後悔。ああ。もうパンケーキの隙間が残っていなかった。(笑)

また来れるよね、うん。また来れなくても日本にもあるもんね、うん。
たしかお台場にあるよね。うん。銀座にもあったかも。え、そうなの?

目的のパンケーキを食べ損ねた傷を舐め合いながらしばらく散歩していると、少し高台になっている公園にたどり着いた。丘の上まで行ってみるとシドニーらしい街が一望できた。
丘のふもとの木の下のベンチに座りのんびりすることにした。

何を話したのかは思えていないが1時間近くは話していた気がする。
そうしているとさすがに話すことがなくなり、少しの間沈黙が続いた。
ぼぉとしながらシドニーの景色をみている私をみて、物思いにふけっていると思ったのか慎重そうな面持ちで彼がそっと口を開いた。

彼「で、シドニーに来て、何かお父さんのこと思い出せたの?」
私「ううん、初めてみた場所のようで、何にも残ってなかったていうのが本音かな。」
彼「そっか。」
私「でも、なんかシドニーに来れてよかったって思うよ。というかオーストラリアに来れてよかった。」
彼「僕に会えたもんね、君のパパからのプレゼントだったんじゃない?」
彼は茶目っ気たっぷりにそう言った。
彼は冗談のつもりで言ったらしかったが、私にとってはほんとにそうだと思ってまたポロポロ涙が溢れてきてしまった私を見て、しょうがないなと肩を貸してくれた。

彼「うんうん、あれだねぇ。きっとシドニーは僕との新しい良い思い出の場所にするべきだなって思って神様が思い出させないように計らってくれたんだねぇ。」
私「ははは。神様どんだけロマンチックなん?」

父のことを思い出すことはできなくても、なんだかもう寂しくはなかった。
木の上に止まったカラフルな鳥が空に羽ばたいているのが見えて清々しい気分だった。

彼「いくで。」
私「いこか。」
彼「シドニーの方向は‥‥と」
そう言いながら携帯の地図を開いて方向を確かめたと思えば反対方向へ歩き出した。

私「待って、駅反対やで?」
彼「大丈夫大丈夫、歩きましょ。」
私「歩くってどこまで?」
彼「シドニーまでに決まってるやん。思い出作らな。」

忘れてはいけない、今ボンダイビーチの丘の上でシドニーまで約8キロ。
歩いて約2時間の距離である。

初めは冗談かと思ったが、結局本当にボンダイビーチからシドニーまでの道を歩いて帰った。

思い出づくりやったら、海で泳ぐとかしといたほうがよかったくない?
2時間も歩こうと思う、その発想が意味不明だと何度も文句を垂れながら‥‥(笑)

つづく

ーー今回のあとがきーー

本文には書かなかったんですが、
シドニーの丘の上で夫が

「うんうん、あれだねぇ。きっとシドニーは僕との新しい良い思い出の場所にするべきだなって思って神様が思い出させないように計らってくれたんだねぇ。」

とドヤ顔で言ったすぐ直後に、いきなり鳥が何度も突進してくるという珍事件が実は起こっていました。

鳥が苦手な夫は「やーーーめーーテーー」と叫び倒して爆笑しました。
叫び倒した後に真顔で「君のお父さん鳥になって祝福しに来とるわ。」私に話す夫。
「いや、どっちかゆうたら調子のんなって攻撃されてない?」と腹を抱えて笑う私。
さっきまで大きな肩を貸してくれた器の大きい人に見えてたのに、とたんに鳥にぎゃーぎゃーわめく夫にいつも通り「さっきの人返してくれる?本当宇宙人この人。」と思いました。笑

丘の上のベンチから見えた景色

さっきまでひんひん泣いてた人の顔撮ったろっと夫が撮った写真がこの1枚。
なぜか夫が妙にこの写真を気に入っていたので記念に載せておきます。(笑)
ぐっちゃぐちゃに泣いた後ってのがバレバレよね。w

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それではまた明日。

▶︎このお話の続き

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