「医療」を考える
こんにちは。うつ病休職エンジニアの三十郎です。
私は毎週、心療内科に通っています。とても混んでいるので、いわゆる「3分間問診」を受けています。先生と治療のゴールについて話をしました。先生は「職場復帰することです」と答えました。
確かに職場に戻らなければ、無収入のままです。生活も苦しいです。しかし、職場にいたから、あなたのお世話になっているのです。「職場」と「心療内科」が私をボールにして、バレーボールをしているような感じに思いました。
職場復帰するときには、会社が雇っている産業医の先生と面談するのですが、先生が言うには「昔のような働き方は止めなさい。あなたは真面目すぎる。もっと不真面目に仕事をしなさい」でした。私は何のために職場復帰するのでしょうか? 私としては、会社に貢献してきたとの自負があります。そのプライドを捨てて「働かないおじさんになる」のは、不愉快です。今度はそれがストレスになるのでは? とさえ思います。
医療とは病の人を健康にするための存在です。私のこれまでの働き方が自体が「健康」の考えからずれているのかも知れません。であれば、「不真面目に仕事をしなさい」は、的確な医療アドバイスと言えます。
1.東洋医学と西洋医学
医療とは「医術(医学)によって治療すること」だそうです。
現代の日本は、西洋医学が主流です。しかし、病院によっては漢方薬も処方してくれるところがあります。東洋と西洋の良いとこ取りをしている柔軟な発想です。
東洋医学は中国発祥の医学と解釈して問題ないです。2000年以上の歴史を持ちます。様々なトライ・アンド・エラーを繰り返しながら、体系化されてゆきます。残念なのは科学との出会いが無かったことです。胡散臭く見えるのも、そのためでしょう。
一方、西洋医学は14世紀のルネッサンスの解剖学がスタートです。しかし、18世紀までは、「病気は神からの贈り物(試練)」として、積極的な治療はしてきませんでした。その結果、ペスト大流行などの悲劇を生みました。しかし、19世紀に入ると科学(化学、微生物学)と出会うことで飛躍的進歩を遂げます。
まとめると、18世紀までは東洋医学が勝り(ペストのパンデミックは限定的)、19世紀以降は西洋医学が圧倒しています。現在、日本で医者の免許を取るには、西洋医学の履修が必須です。
(1)東洋医学
東洋医学と西洋医学は、根本的考え方が異なるようです。「医食同源」の言葉があるように、病気になるのは、生活習慣などの問題により、心身のバランスが崩れた状態が、病気という形になって表面化するとの考えです。
なので、治療は心身のバランスを如何に取り戻すかが、ポイントなのです。病気が発生している部位とは関係なく、効果があるツボを刺激することをよくやります。針や灸などがよく知られています。経絡秘孔から気功を注入する「北斗の拳」の世界もあります。
病変した部位と直接関係の無い場所から治療を施すので、治療と治癒の因果関係が明確では無いため、科学的検証が取りにくいです。また、体質改善から治療するので、即効性がありません。科学的では無いとされるのは、そのあたりに原因があります。
しかし、効果はあるので、インチキと断言できません。現在でも針灸が残っているのは、それなりの実績があるからです。スポーツ選手の疲労回復や怪我の治療でも有名です。
漢方薬は、中国の薬ではありません。中医学が日本へと伝来し、日本で独自の進化を遂げた物です。有名な「葛根湯」は中医学にはありません。でも、中医学の薬と共通する物も残っています。
(2)西洋医学
人間は肉と骨の機械であるとの発想が根源にあります。なので、病気になった部分を、機械のように修理するイメージ、いわゆる、対処療法です。東洋医学にような根源療法は、直った後に再発させないよう指導する程度です。
外科手術や化学物質による即効性のある治療が特徴です。また、細菌やウイルスへの対処など、中医学では気づけない病原体への対処が可能です。更には、放射線療法、ゲノム治療など最先端の科学を駆使した治療が行われています。
科学的な検証に敵しており、現在では、医療と言えば、もっぱら西洋医術を指します。
2.対処療法だけで健康になれるのか?
私は「No」だと思います。悪い部分を切り刻んでいって、最後に何も残らないでは、健康とは言えません。
健康とは「健体康心」、心の部分にも目を向けることが半分必要だと実感しております。特に日本では「過労死」なる海外では考えられない死に方をするのですから。
私は最悪、体が病んでいても、心が穏やかであれば、それでも良いと考えています。病は気から、気は病から。体調が万全で無い状態(東洋医学で言う未病)は、西洋医学では治療の対象となりませんが、それを直すことが最も重要なのでは無いかと思います。発病してからでは遅いのです。
4.不真面目に仕事をしなさいの意味
私なりの解釈では、今の日本の働き方が狂っている。それを続ければ、病気になるのも無理は無い。幸せになるための働き方をしなさい。無事これ名馬。継続的に働き続けることが自分にとっても会社にとってもメリットとなる。そう捕らえています。
馬鹿正直に、常に全力で仕事をさせられるのは、自分の頭で本当に考えて働いていることになるのでしょうか? 力を入れるところは入れる、抜くところは抜く。自分で体と相談しながら働くべきなのです。疲れたら、嫌みを言われようが休むべきです。それがプロです。
体のメンテナンスも仕事のうちです。
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