ほんとうに、目標設定は必要なのか。
「優勝なんか一切目指しません」 という、いきなり名言が飛び出した日ハム・新庄監督。
さらに、「"優勝"という高い目標を持ちすぎると選手はうまくいかないんですよ」とバッサリ。行き当たりばったりの人生を歩んできた無計画男・新庄の「凄さ」を知っているだけに、この言葉の裏にはどんな秘密があるのだろう、と興味をもった。まぁ正直、会見で、彼に綿密な目標とか計画を発表されても、みんな戸惑う気がしますが。。。
競技が変わって、マラソンQちゃんの小出義雄監督の名言: 「笑顔で走りきれば結果はついてきます」
小出監督は、トラックを走っているQちゃんを横目でみながら、「あの子の凄いところは、どれくらいの距離を何分で走ればいいか、考えずに走れるところ」と発言。最初から最後まで、「楽しんで・自分らしく・無理せず走れ」と指導した人物だったと記憶している。
最後は、卓球にしよう。北京五輪後に就任し、ロンドン五輪では団体で銀メダルを獲得したときのインタビューにて、
「現在の中国と日本は9:1。リオ五輪では7:3。そして東京五輪では5:5にもっていく」日本代表の村上恭和監督。
トーナメントでの中国との直接対決を避けるために、「世界ランキングを上げるのだ」と、目の前の敵:”打倒シンガポール!”と、長期的な視点からの「逆算」に冷静さを感じたこともあった。
さて、ほんとうに、目標設定は必要なのか。
わたしの答えはこうだ。
「選手の安心とワクワクが第一」
要するに、目標なんて無くても、これを生み出せるならば、何もいらない。
新圧野球と聞くだけで面白いし、選手も笑顔で真剣に練習をしている。Qちゃんが笑顔×先頭で競技場に戻ってくる姿、王者中国に食らいついていく卓球チームジャパンを見ていて、どのシーンを切り取っても本当にワクワクする。監督として、選手を安心させ、ワクワクさせることが何よりも大事で、タイミングに応じて目標を掲げることも必要だろう。
マラソンでは、前を走るランナーの姿が見えた瞬間に、スピードがぐんとアップするらしい。1位の選手の姿であれば、尚更である。前が見えないという「不安な気持ち」は、一気に活力となるのだ。
そういえば、新圧も同じようなことを言っていた。選出が「優勝できるかもしれない」と思えたタイミングを見逃さないこと、だと。スポーツは奥深とも、ビジネスと同じ真剣勝負。共通点や学ぶべき考え方が多く見つかった気がする。