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3週間ほど、SNSをタスクから外した結果

こちらの記事に書いたように、少し休みました。

休むといってもSNSから完全に離れたわけではなく、拙著のご感想にお礼を書いたり、ちらほら「いいね」をする程度のことはしていました。

自分のタスクのうち、「一日◯回投稿」と「SNSネタになりそうなものをメモ」という作業を止めることにしたわけです。

休んだ結果は以下のとおりです。

1.時間と体力めっちゃある

「投稿内容を書く」ことにも、「書くことを探す」ことにも時間が必要です。
「書く」という身体的な面だけでなく、「探す」という思考的な作業にかなりのエネルギーを割いていることに気が付きました。

それをやらなくなったのだから、時間も体力も余るわけです。
その「豊か感」たるや。

2.頭の中が静か

自分がスマホ脳になっている自覚はあります。SNSを離れようと思っていたのに離れきれなかったのです。脳がハッキング(「スマホ脳」にそんなような記述があった)されているという自覚もあり、「離れきれなかった」という課題については、現在取り組んでいるところです。
それでも、頭の中はずいぶん静かでした。

日々の生活の中でSNS用のネタを探すということは、「【その経験】を投稿のための文章に組み立てる」という頭の作業が発生することです。私は文章を脳内音声で組み立てているため、頭の中が常にうるさい状況でした。

でもSNS投稿をしなくなったのですから、組み立てる必要はありません。

五感で受け取ったものを、言葉で固めなくてもいい。
ふわりと、感じるままでいい。
その「許し」は、大きな安らぎでした。

3.写真を撮らなくなった

上記にもつながることですが、五感で受け取ったものを固める必要がなくなったため、写真を撮る必要性もなくなりました。

大きな月も、金色のイチョウも、かわいいケーキも、娘の小さな手も、私の目と耳をはじめとした体の感覚だけが受け止めました。

「人生まるごとコンテンツ」という名言があります。
この時代、自分の看板をしょっている人間にとっては、すべてを記録せんとする態度はもはや健全であり、「あるべき姿」と呼んでいいのかもしれません。

しかし、私はどうしても、レンズを通さない時間・自分の半径を愛する時間・言葉のフィルタを通さない時間……光や温度、感触を「そのまま」感じる時間が必要でした。

そんな自分の要求を、忘れていたことに気づきました。
やっと、思い出すことができました。


4.「書きたい!」という気持ちがむくむくと

感じたことを言葉にしなくていい。

自分にその許可を出して、ホッとすることができました。
感じるままに笑ったり泣いたり怒ったりして過ごしました。

そうしているうち、「書きたい」という気持ちが湧いてきました。
言葉にしなくていい、と思ったら、言葉にしたくなったのです。

私には書きたいものがある。

腹の奥から浮かび上がるようにして、その気持ちが湧いてきました。
そして私が書きたいものは、やっぱり、小説なのでした。

以前の記事(冒頭に貼った記事)で、

私の「art」はガラクタに埋もれているが、かろうじて生体反応をとらえてもいる。
自分の中に積み上がった瓦礫をどかしつつ、小さな真珠のような「art」を迎えにいこうと思う。

ということを書きました。

その真珠が、ぽかぽかと熱を持ちながら、私の中に浮かび上がってきたのです。

「ああー、私の真珠、生きていた…!」

と、安堵しました。


私にとってSNSとは

SNSの力はすごいです。
私の現状では、これがあるからこそ仕事を展開することできます。

この、ものすごい引力に振り回されずにいるにはどうすればいいのか。
いまだにわかりません。

人類が初めて火を使ったときもこういう感じなのかもしれません。
知ってしまったからには手放すことはできない。
危険もあるが、使い方は体で知るしかない。

私にとってSNSとは、まさしく「火」であります。

やけどしたり、焦げたりしながら、トライ・アンド・エラーでバランスを知っていくものです。

というわけで、戻ってまいりました。
今後ともよろしくお願いいたします。

追記

休みのあいだ何をやっていたかというと、編み物をしていました。
かねてより100円ショップで毛糸を見るたび「かわいい……」と思っていたのですが、「ええい、やってみるか!」と勢いでかぎ針と毛糸を買いました。

編み物は小学生のときに一度だけ祖母に教えてもらったことがあります。
その時は「なぜ編み目が増えたり減ったりするんだ…!」と挫折しました。
おまけに私は胸を張れるほどの不器用者であります。

今回は娘が「え?私のマフラーつくるの?たのしみー!」(←私は一言も言っていない)と圧をかけてきたことと、YouTubeのおかげで完成させることができました。わかりやすい動画いっぱいありますね。ありがたや。

編み目を数えることに集中するので、余計なことを考える暇がありませんでした。

小説を書くことも読むことも考えることもない時間がこんなに頭をクリアにしてくれるとは。

初めて作ったので出来は置いといて、没頭するというのは凄く楽しいことでした。

初めて作ったのでね、そこはね










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