ディズニー ツイステッドワンダーランドについて思うことあれこれ
時代の潮流に乗れずにオタクをやってきた私が、この春に「ディズニー ツイステッドワンダーランド」をインストールしてみた。最初は週1くらいのログインでだらだらとゲームをし、「これもすぐに飽きて旬が去った時にどハマりするパターンかな…」と考えていたが、ストーリーを読んで推しを発見し無事波に乗ることができた。周囲とも話が盛り上がり、二次創作の供給が途絶えないことで感じたことのない覇権ジャンルのパワーに圧倒されている。その一方でゲームに引っ掛かりを感じている部分がある。現時点での所見、お気持ちをふわふわと書いていこうと思う。(怖い反応があったら消します。)
※私はとりたててディズニーファン、ハリポタファンではない。どっちも幼い頃に親しんだ作品ではあるが、熱烈なこだわりを持った人間ではない。
※一応メイン・パーソナルストーリー共に読んではいるが、未入手のカードがあったり、記憶に間違いがある可能性があるので、ミスを発見された方はコメントで教えていただけると幸いです。
ストーリーはこれで大丈夫なのか?
ツイステのキービジュアルやリリース前のCMで想像していたストーリーと、実際に展開されたストーリーにギャップがあった。ツイステのふれ込みはダークファンタジー。悪役が主役。《TWISTED》が表すものは、ヴィランズを正とする《ねじれた価値観》だと予想した。
CMやキービジュアルを見て私が期待していたのは、例えばDEATH NOTEの夜神月の大量殺人のような
・倫理的には悪とされているが、実は多くの人が内心共感している選民思想・排除・思想を描いた「パンドラの箱を開けたような危険な爽快感」
・読者にとって絶対悪だが、キャラクターにとって絶対的正義を描いた「価値観のズレによって生じるある種の不気味さ」、サイコパスの魅力
あるいは
・悪vs悪のバトル
を描いたストーリーだった。
だが、蓋を空けてストーリーを読むと学園モノの域を出ていない。
キャラクターの闇落ち理由も狂気を感じない。私の予想が間違ってたかな…と思ってリリース前のCMを見るとやっぱり予想していたストーリーを思い起こさせると思った。
彼らの善/悪の価値観に踏み込んだ描写がなされると期待していたが、現時点では学園どんちゃん騒ぎだし、オーバーブロットの理由には悪役が悪役たりえる狂気が足りてないと感じた。(「おしゃべり」が一番期待してたものに近かった。)
ただ、期待していたものと違っていただけで、現状のストーリーにも良いところはある。ファンタジー要素が欠けている分、彼らには親しみを覚えやすい。…体のいい言い方をすればそこまでだが、私は推しキャラのダメ男っぷりを好きになってしまった。(顔だけは良いと公式からお墨付きをもらっている。)これは、上記の予想していたストーリーでは決して描かれないタイプのキャラ付けであるが、私は幸いにもそこに惚れ込むことができてよかった。ツイステはだめんずや性悪男が好きなオタクには刺さるキャラが多いのではないか。
そして、世界観の詰めが甘いと感じることが多々ある。「ツイステッドワンダーランド」「マジカル〇〇」のようにあたかも自分たちのいる世界がオルタナティブであることを自負しているようなネーミングに違和感がある。アメフトはないのにバスケがあり、納豆ははるか東方の地にある食材なのにデラックスメンチカツサンドが購買で大人気だったり、監督生がもともといた世界との描き分けがうまくできていない。
どうしても舞台が似通っている以上、ハリーポッターの世界と比較してしまう。マグルという蔑称の存在、バタービール、ニンバス2000など価値観が作り込まれたあの世界のワクワクするモチーフと比べると、あまりにもツイステはファンタジー成分が足りない。例えば「部活動」という単語を「クラブ」に置き換えるだけで多少なりとも印象は変わってゆくだろうし、デラックスメンチカツサンドを味の想像できない新しい食べ物にすれば名門魔法学校の庶民感は薄められるだろうと思う。「魔法のない世界から持ち込まれたスポーツ」「魔法があるのにあえて魔法に頼らないスポーツを嗜む変な奴ら」みたいな描写があれば、部活動はキャラの交流のための単なる舞台装置ではなく、世界観を構築する一つのパーツになったのではないかと思う。
さらに最後に一つだけ。一部のキャラクターの言葉遣いが気になる。筆者はギリギリガラケーを使ってた世代だが、「写メ」…!?ツイステファンは未成年も見かけるが、その子たちに取っては写メって死語どころか古語ではないだろうか…?あとオタクキャラのキマシタワーとか拙僧とか、私が中二病に罹って2ちゃ○ねる見てた時もそんな言葉使ってた人いたかな?という印象。
オタク、すみわけしろ
リリース直後からツイステの勢いは止まらない。トレンド入り、通販鯖落ち、湯水のように湧き出る二次創作の数々、怒涛のグッズ供給。だが、この勢いと同時に一抹の恐怖を覚えている。というのも、たった半年前にツイステのポジションにいたのは鬼滅の刃だったからだ。(私がもともと流行には疎かったため、「旬」の入れ替わりの速さにびっくりしているだけだが。)こんなにも盛り上がっていると、公式がガンガングッズを出すのもうなずける。(というか、この盛り上がりを予想していたかのようにリリース直後で新しいグッズが毎日のように発表されるのもなんとも言えない)
…が、盛り上がりの反面、炎上がやたらと多い。炎上は旬ジャンルにつきものではあるが、その中でもいわゆる「すみわけ問題」を甘く見ないで欲しいと考えている。
ツイステの二次創作が盛り上がっているのはコンテンツが好きでSNSを使っている方はご存知だろう。中でもすみわけ問題についてはこれでもかというほど注意喚起が回っている。タグの細分化、使い方、ややこしいし初めて触れたオタク的コンテンツがツイステという人もいるだろう。ただ中には反応欲しさにタグを濫用する人もいる。そして逆に、正しく検索よけをしていれば人目に止まらなかった炎上案件もある。
なぜ私がこのようにすみわけ/検索よけを強調するのかというと、私自身が検索よけをしていない二次創作にトラウマを植え付けられた経験があるためだ。私には幼い頃から大好きなゲームがあり、純粋無垢な小学生時代、そのキャラクターの画像を普通にGoogle検索で調べていたらR-18二次創作BL画像が目に飛び込んできて大変なショックを受けた。その原作コンテンツは性的要素は皆無、どころかキャラの性別は不明とされている。大好きなキャラクターに汚れた捏造がなされ(当時の感想)、それを喜んでいる人がいることに子供心に深く傷ついた。今はBL二次創作そのものに関しては何とも思っていないが、そのゲームについてはファンアートさえ見るのも未だ消極的だ。
でもTwitterを見ていると「自衛しない方が悪い」「地雷はそっとじミュートが基本、注意は野暮」「なぜ地雷のために配慮をしないといけないのか」と二次創作すみわけ問題をオタク間のみの確執と捉えている人があまりにも多いと思う。
そうではない。
公開アカウントならば、あなたのツイートを見ているのはあなたのフォロワーだけではない。ネットを使っているのはオタクだけではない。私はあんな体験を他の純粋なファンにして欲しくない。だからオタク、隠れろ、すみわけをしろ。
香りが強い運営
ゲームの作り込みそのものと、ユーザーに対する運営の態度に引っ掛かりを感じる。
作り込みで不安を感じた点は、スーパーデフォルメのキャラクターたち。右向きのデフォルメが用意されておらず、左向きのキャラを左右反転させただけの状態で実装されている。正確に言えば、顔に傷やホクロ、模様がある子達の顔はそのままで、髪の毛・服装は正しいキャラクターデザインから反転されてしまっている。キャラクターの分け目が左右で違うと印象が大きく変わるし、服のボタンの位置が変わってしまえば、キャラクターは女性物のブレザーを着ていることになる。
女性向けゲームはゲーム性が軽く扱われがちだという人もいる。そこはターゲットの需要との兼ね合いがあるとして百歩譲っても、キャラクターのビジュアルを蔑ろにするのは流石にどうかと思う。
そして初期化バグ問題。私は魔の数分間の直後にゲームを開き、緊急メンテに驚いた。幸いにもバグから逃れることができたが、その後の対応に少し疑問を感じた。該当者に対する説明を、ゲーム内で独立したお知らせとして出さず、メンテナンス告知の中のスクロールした一番下にゲーム内リンクを載せたのは何故だろうか。連絡が遅れた理由は「なりすまし等回避のため」としていたが本当か。私がメインでやっているソシャゲは、ログインのたびにお知らせが開き、どんなに些細な不具合情報も必ずユーザーの目に入るようになっている。ツイステをやっていると、他の運営が誠実だと思うシーンがちょくちょくある。
その他
効果音めちゃすき。音聞くためにガチャ回してる。
あとプロローグは何回見てもワクワクする。
まとめ
・ストーリーは期待と違っていたけど、良い部分もある
・すみわけしよう
・運営がんばれ
追記
統一試験のクロウリーボイスにはびっくり。私は学園長は好きだが、それはメイン更新が大幅に遅れている今、ファンが待ち望んでいることのようには思えない。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。