下北沢のカルアミルクとオムライスが美味しいお店に一緒に行ったの覚えてる?
「明日会えたりしませんか?」
彼からメッセージが来た。
彼とはSNSで知り合って
もう2回程二人で遊んだ
あと
今は好きかもしれない人だ。
「会えるよ」
「やった、どこ行きますか?」
「下北に行きたいな」
「分かりました!行きましょう」
「やったねー、明日午後16時に下北沢の小田急線改札の前待ち合わせね!遅刻しないでよ笑」
彼は2回遊んで2回遅刻するような男の子だった
「任せてください!!」
ここまでの会話で
彼が私に敬語を使っているのは、私が彼より1つ早く産まれたから。
それだけだと思ってた
◌次の日
下北沢16時 小田急線改札の前にて
「着いたよーどこにいる?」
「僕もうちょっと前に下北沢着いてました、そっちに向かうから待っててください」
「分かった」
(ちゃんと遅刻しないで来てくれた、偉いね)
「いた」
「お待たせしましたどこ行きますか?」
「やっほ、服屋さんに行きたいな」
その日は、私の行きたいお店にずっと付き合ってくれた
彼は私に気があるのか無いのか分からない
だけど、いつもより私を見てくれた気がした
「疲れたからお酒飲めるとこで休憩しよ」
「分かりました!ここのお店良いですよ!前行ったことある」
「入ろっか」
お店の中はすごく静かで落ち着いたお店
私の家に少し似ててすぐ好きになった
席に着いて直ぐに注文をした
彼はパスタとよく分からない難しい名前のお酒
私はオムライスとカルアミルクを注文した。
彼との会話は、お互いの趣味の話と共通の友達の話ばかりで真面目な話や恋愛の話はしたことがなかった。
恋愛の話聞きたかったけど恥ずかしくて聞き出せない
そう考えてると
料理とお酒が来た
カルアミルクはすごく甘くてアルコールぽさがなかったからコーヒー牛乳みたいだった
だから、お風呂上がりの子供みたいにごくごく飲んだ。
オムライスは半熟トロトロで優しい味がした
私は酔って、顔がすぐ赤くなった
恥ずかしい一面まで見せたと思う。
ちょっと酔うと体に触れたくなる
甘くなる
だけど、彼は大人の男じゃない
それに
私たちはそういう関係にはなれない
察してた
その後お店を出た。
下北沢の交番の方へ行って商店街の方へ向かう
そこで男女が熱く抱き合ってキスをしてた
私は無視して歩こうとした
すると彼が
「待って、見たい」
ちょっと気持ち悪かった
「はやくいこうよ、、、」
そう言ってもずっと彼は見てた
満足したのか歩き出した
そしたら
「僕もああいうことしてみたいな」
と彼は言った。
本当は気持ち悪いんだろうけど、私はその子に少し愛情があったからドキッとした
だけど、その後は何も言えなかった
その後まだ一緒にいたかったから
下北沢のどこかにある公園に行った
音楽の話をした。
「CDってなんで買うんですかね」
「買ったことは無いの?」
「まだ無いです。今はスマホで聴けるから買う意味あるのかなって思います」
「確かにね、音楽はスマホで聴けるよね」
「でも春さんCDものすごく買いますよね?」
そう、私はCDをよく買う、愛してる
「なんで買うんですか?」
この問には色んな答えがあった
けどとっさに
「自分のものにしたいからだよ」
と、
わたしはいっていた
その会話の後は抱き合うこともキスをすることもなく何事もないまま
私たちは別々の電車に乗ってお別れした。
その日以来、私はその子が誰かに取られることを焦る日々が続いた
欲しいものがあればすぐ手に入れる
Amazonで”すぐ買う”を押すのが私だ。
不安ばかり続くのは嫌で彼の気持ちを知りたかったから、私から遊びに誘った
下北沢じゃないとこで会った
ご飯を食べて歩いて
帰り際
初めて好きな子に告白した。
そこで、
彼は私を
抱き合ったりキスしたりする人として見ていなかったことを知った
彼とは連絡することは無くなった
彼と合った日から3週間が経った
CDを整理していたら
岡村靖幸の「カルアミルク」を見つけた。
あの日のことを思い出した
自分のものに出来なかった
手に入れたい
そんな気持ちしか無かった
今ならあなたのこと考えてあげられるかも
だから今から会おうよ
戻れるかな
あの時みたいに
連絡は出来なかった。
今の私たちは
カルアミルクを飲んだら顔が赤くなる
また何年後かに会ってバーボンソーダで乾杯しよう