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鉄道員(ぽっぽや):浅田次郎
浅田次郎さんが1997年に直木賞を受賞した作品。
後に、高倉健さんが主演を演じて大ヒットした映画のもとになった小説です。
北海道の道央地方の廃線予定の幌舞線は単線でかつて配炭を主な業務としての役割を持っていたが、炭の需要もなくなり、しだいに寂れた路線になっていった。
その幌舞線の終着駅、幌舞駅の駅長を務めるのが佐藤乙松で、彼は学校をでてすぐに当時の国鉄に職を得て、いままでずうーっと鉄道の仕事一筋で過ごしてきました。
そんな彼も今年いよいよ60歳の定年を迎える年になり廃線になる幌舞線と共に仕事を終えることになりました。
性格がまじめで実直は彼は、仕事一途、仕事第一で鉄道業務に打ち込んできました。
そんな仕事を一番に考え、自分の生活を二の次に置いた彼の生活のために
こどもが病気で死んだときも、妻が亡くなった時も宿場を離れなかった。
そんな生活を過ごしてきた佐藤乙松は、晩年を迎えて人生を振り返った時に
何を思うのか。
ある日、幌舞駅の待合室にセルロイドのキューピーちゃんの人形の忘れ物が残されていた。
そして、その人形を探して一人の少女が駅にやってきたのである。
その子供をみて乙松は自分の子供のことを思い出していた。
こどもも妻も亡くして、独り駅長として仕事を全うしてきた自分の人生は
どうだったのだろうか。
何か忘れてきたものはなかったのか。