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台湾らしい中国語

台湾に来たての頃、よくあなたの中国語は中国で習ったでしょとか、中国風の言い方だねとか言われた。
本当に一言二言しかしゃべらない時は中国人?と言われたこともある。

今、私は台湾人っぽくしゃべりたいとも中国人っぽくしゃべりたいとも思っていない。
でも一時期は絶対に台湾人っぽくなんてしゃべらないぞ!と思っていた。
台湾に来てから、すごく大きな変化を経験して、ちょっと病んでしまったので、何も関係ないのに台湾人(特定の個人ではないです)と台湾を、八つ当たり的に好きになれない時期があった。
今はいい所もあれば悪い所もあるし、いい人もいれば嫌な人もいるなぁと普通にフラットに思えるようになった。(よかったよかった)

自分としては、どちらかに寄せている気持ちはないんだけど、生活しているのが台湾なので、私の中国語は自然とすっかり台湾寄りになっている。

生活しているうちに、台湾らしい中国語に聞こえるにはいくつかコツがあることに気がついた。
コツと言ってもこれを知っても特に役に立つ人はいないだろうけど、こういうことを考えるのが好きなので、少しまとめてみたいと思う。

軽声で読まない

全ての単語にちゃんと声調をつけると台湾華語っぽいというか、南方感が出る。
私は初めて窗戶chuāng hùと言われた時、全く反応できなかった。chuāng huでしか頭に入ってなかったから。
みんながみんなではないけど、辞書には軽声で載っていても声調をつけて言う人が多い気がする。
物という時の東西と方角を言う時の東西も区別なく声調が付くし、早上晚上の上も声調が付く。

兒を付けない

中国の中国語で絶対にないとおかしいと思っていたも付けないほうが断然台湾華語っぽい。

玩儿
小孩儿
(小)孩子(孩童ということも)
慢慢儿
慢慢

台湾に限らず南の人は全般に巻舌がなくなる傾向にあるんだけど、二èrèに近い発音をする人がけっこういることは、台湾に来てから気がついた。
慣れてない私には、たいへん聞き取りずらい。

私はさすがに接尾辞r以外の語頭の巻舌音zh ch sh rはちゃんと言いたい!と思っているけど、随分浅くなっているに違いない。
さらにちなみにrが語頭に来ている場合は逆にジに近いくらい強く発音する人もいて、日本がリーペンではなくジーペンに聞こえることもある(これは中国でもあった)。
カタカナ表記は無理があるので、分かりにくいかもしれないけど。

通过は透過に、
比如说は譬如说に、
明白了は了解にする

めっちゃチップスみたいだけど、これらの単語に変えるだけですごく台湾っぽい。
意味は同じでも、台湾華語と中国の中国語では、使う単語の傾向が違う。
台湾に住み始めたころ、その言い方はしない的なことをよく言われて、だんだん疑心暗鬼になって、この単語もあの単語も台湾ではもしかして使わないの?どうしよう...って思ったけど、よく考えたら全然意味は通じるので、中国の中国語でもガンガン使って大丈夫だった。
今でもたまにずっと話してて、最後くらいに台湾ではキウイは猴桃じゃなくて奇異果だよと言われたり、お店で勺子(スプーン)くださいと言ったら、あー湯匙ねと言われることはあるけど、困ることはない。
ちなみに台湾で勺子と言うとお玉のような大きなものを指すみたいだ。

台湾と中国で言い方が違うと言えば、私の中でその代表は船到橋頭自然直だ。
台湾で初めてこの諺を聞いた時、初めて聞いた!と思ったんだけど、調べたら到山前必有路と对になっている諺だった。
到山前必有路 船到橋頭自然直
中国では主に前半だけを言い、台湾では主に後半だけを言う。
意味はどちらも「案ずるより産むが易し」まぁ「やってみればなんとかなる」ということだ。
わざとお互いのピックアップしてるところ変えてる?って勘ぐりたくなる。

台湾華語の辞書で発音、特に声調を確認する

中国の中国語と台湾華語は発音、特に声調が違うものが多い。

私はしょっちゅうこのトラップに引っかかるので、両方の辞書を調べて比べるようになった。
さらにややこしいことに、台湾華語の場合、辞書に載っている発音とみんなが日常でしている発音が合ってないことも多い。
豆豉(トウチー)は台湾の辞書にもdòu chǐと載っていたのに通じなくて、どうやらdòu shìもあって、こちらを言う人が多い。
も辞書的には爆発するの時はzhà、 油で揚げる時はzháなんだけど、台湾ではみんな四声になる。炸雞zhà jī(唐揚げ)zhá jīと言っている台湾人に会ったことがない。


書き始めたらもっとあることに気がついてしまったので、今日はこの辺にして、この話題はまた書きたいな。
こういう違いに注目したり、考えたりするのが大好きなんだけど、この話題で話す相手がいないので、ここでアウトプットできて嬉しかった。
もっと深く知って、さらに分かりやすく書けるように精進しよう!

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