【二次障害の強迫】過剰適応 ②
前回の記事で娘は過剰適応から二次障害の強迫症になった話を書きました。
「〇〇のためにこれをする」「〇〇はこうしてほしいと思っているはず」
過剰適応している人がごく当たり前に使う言葉ですが、自分の気持ちよりも人の気持ちを優先しているのがよくわかります。
自分軸ではなく他人軸。自分の気持ちを無視し傷つけてしまっています。
娘も「〇〇のためにやった」「〇〇はきっとこうしてほしいと思っているからそうする」という言葉がよく出ます。
自己肯定感の低さから「娘ちゃんって優しいね」とか「すごく気が利くね」とほめられてしまうと嬉しくてたまらなくなり、再び相手に合わせた行動をとってしまうのです。
大事にされなかった自分の気持ちは、自己否定や劣等感となって心の奥底に蓄積し、限界がきて二次障害(強迫症)を引き起こしてしまいました。
劣等感や自己否定は心の奥底に潜んでいるものだから本人は自覚していません。
そのかわりに表出してくるのが強迫症状や希死念慮など、はっきりと自覚できる不快で憂鬱な症状。
不快な症状を薬などで抑えたところで、劣等感や自己否定はそのままなので、何かをきっかけにまた憂鬱な症状が出てきてしまいます。
だから心の奥底にある劣等感や自己否定の方を癒していく必要があります。
ずっと他人軸で生きてきた人は自分の癒し方がわかりません。とりあえず何かしようと思っても先に不安ばかりが湧き上がってきてしまいます。
『〇〇したいと言ったら誰かに否定されるかな(他人軸)』
⇒『〇〇したいからやってみよう(自分軸)』
『〇〇をしなかったら誰かに嫌がられるかな(他人軸)』
⇒『〇〇は今ちょっとできないからしないでおこう(自分軸)』
こんな感じで他人軸から自分軸に変えることができたら、とても生きやすくなるのではないでしょうか。
強迫の治療は「安心させてはいけない」というのが前提にあります。
ASDの娘に対して意識してやってきた『安心させる』事とは真逆になってしまうため、私はいまだにそれがうまくできません。
常に「これでいいのか?これは安心させてしまっているのか?」と考えながら話してしまうのでどうしてもぎこちなくなってしまうのです。
私が自然体ではないのを察知しているのか、娘は今まで以上に私の顔色をうかがうようになってしまいました。
過剰適応が原因で二次障害の強迫症になっているのに、支援者の私が過剰適応(強迫症)を悪化させているという状況・・最悪です。
そもそも強迫症は手洗いなどが自分ではやめられない病気なのだから、それを嫌がったり恐れたりしたら娘の自己否定や劣等感に拍車がかかってしまうだけ。
担当看護師さんから「病気なんだからまぁ仕方ないよね~ぐらいの気持ちで接した方が本人は楽だと思いますよ」と言われていたのに、外泊日にそのアドバイスをいかすことができませんでした。
退院が先になってしまったのは私の接し方のせい。本当にごめんね・・。