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現代アート18-A イブラヒム・マハマ



作家情報

イブラヒム・マハマ / Ibrahim Mahama
1987年生まれ。ガーナ出身Red Clay StudioSavannah Centre for Contemporary ArtsNkrumah Voliniを創設した。作家活動で得た資金の一部で、母国ガーナの芸術文化を発展させる活動をしている。


紹介作品

Ibrahim Mahama: Purple Hibiscus / ブラヒム・マハマ:パープル・ハイビスカス〉2024年

建物にかぶされた作品
Photo: © Dion Barrett, courtesy of Barbican Centre
布の詳細写真
Photo: © Dion Barrett, courtesy of Barbican Centre

導入

バービカンの展覧会「Unravel:The Power and Politics of Textiles in Art」で発表された作品。作品の題名は、チママンダ・ンゴジ・アディーチェの同名小説2003年にちなんで名付けられた。制作は、約9カ月かかった。

形状

ブルータリズム建築のファサードを覆い隠している。生地は、下地として紫色のテキスタイルが使われ、その表に伝統衣服の「バタカリ」が縫い付けられている。

ファサードの写真

素材

  • ガーナの伝統的な衣服「バタカリ」(約130枚の儀式用ローブが使用された)

ストライプ柄が「バタカリ」の特徴

バタカリは、かつて王族のために作られていた伝統的な衣服であり、その後、誰もが所有できるようになりました。私は、その衣服が持つ歴史、特に、人々が織り、身に着け、世代から世代へと受け継がれてきた歴史に興味を持っています。」

イブラヒム・マハマ
  • 生地の扱いに慣れている約1,000人のガーナ人労働者(縫い付け作業者の多くが女性)

  • パブリックな広場に面した美術館のファサード

  • 芸術に昇華するためのガーナの歴史に関する知識(作家本人がガーナ出身というバックグラウンド)

初期段階のアイデアスケッチ

制作方法

  1. 制作に必要な枚数の「バタカリ」を国内で入手する。

  2. 下地となる紫色のテキスタイルを糸から織っていく。

ガーナで集めた糸を織っている様子
織工は主に男性が担当している

3.織った生地を大きな一枚の布にするために縫い付ける。

4.紫色の下地となるテキスタイルに「バタカリ」縫い付ける

集められた「バタカリ」
作家が作業員に指示を出している様子
競技場でも作業していた

5.設置するファサードに合わせて、布を切断する。
6.風で飛ばないようにファサードに取り付けて完成。

屋根に上り布を被せる作業員たち
上空から見た完成作品

(原価が)1セントコインの価値しかない廃材であっても、アートの世界では1ミリオンドルもの値がつきます。このアート市場のパラドックスから得た資本を私は利益とみなし、自国の人々の生活環境を変えようと活動しているのです。

イブラヒム・マハマ

引用まとめ


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