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現代アート18-B イブラヒム・マハマ


作家情報

イブラヒム・マハマ / Ibrahim Mahama
1987年生まれ。ガーナ出身Red Clay StudioSavannah Centre for Contemporary ArtsNkrumah Voliniを創設した。作家活動で得た資金の一部で、母国ガーナの芸術文化を発展させる活動をしている。


紹介作品

TRANSFER(S) / 転送〉2023年

展示風景 photo by Angela von Brill
展示風景 Photo by Stefan Bruckner

導入

オスナブリュック美術館が、375年前に締結されたウェストファーレン条約(2つの平和条約で30年間の戦争を終わらせた)の記念日に際して、実施されたプロジェクト。旧ガレリア・カウフホフ(ドイツ)の建物に設置された。

形状

建物のファサードを覆うように布が被されている。布は建物に直接被せているのではなく、建築を囲って組まれている単管足場の上から掛けられている。

素材

  • ストリップ織り生地

  • ガーナで集められた伝統的な衣服「バタカリ」

ストライプ柄が「バタカリ」の特徴

バタカリは、かつて王族のために作られていた伝統的な衣服であり、その後、誰もが所有できるようになりました。私は、その衣服が持つ歴史、特に、人々が織り、身に着け、世代から世代へと受け継がれてきた歴史に興味を持っています。」

イブラヒム・マハマ
  • 使用後に集められたジュートサック(麻布)

  • 展示する都市の政治的歴史(オスナブリュックで調印されたヴェストファーレン平和条約の内容)

  • 展示する都市の繊維生産の歴史(オスナブリュックで生産された亜麻布が大西洋奴隷貿易の経済にとって重要な商品であった歴史)

制作方法

サバンナ現代美術センター(SCCAタマレ)が公開している映像 約15分

アイデアスケッチ。青と黄色の対比を意識していることがわかる。
コンセプトスケッチ。写真に重ねてイメージを描いている。

詳細写真

使い古された麻布。よく見ると使われていた年代や使用者の名前が記載されている。
Photo by Lucie Marsmann
都市に突如現れた黄色の「壁」 Photo by Lucie Marsmann
異なる種類の生地を使っている。 Photo by Lucie Marsmann
散らばって縫い付けられた沢山の「バタカリ」 Photo by Lucie Marsmann

(原価が)1セントコインの価値しかない廃材であっても、アートの世界では1ミリオンドルもの値がつきます。このアート市場のパラドックスから得た資本を私は利益とみなし、自国の人々の生活環境を変えようと活動しているのです。

イブラヒム・マハマ

引用まとめ


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