アニメ「魔法少女まどか☆マギカ」感想
とにかく構成が上手かった。
まず第1話。いきなり意味不明の戦いから始まり、ほのぼのに移ってシリアスへ。
物語の最初の部分はやらなければいけないことが沢山ある。
登場人物の名前や、舞台となる場所の様子を知らせ、世界観をつかんでもらう。
続きが気になるように、見ている側が解明を諦めない程度の謎を残す必要もある。
そういう基本的なことを自然に行った上で、作品全体の雰囲気も伝えており、見事だと思った。
最初からほのぼのだったら、ほのぼの好きな人以外は「だるいなー」と見るのをやめてしまうだろう。
まどマギはずいぶん話題になった作品なので、同じ時間を繰り返すことは知っていた。
しかし第12話で終わるのに第9話までは普通に時間が進んでゆき、
「あと3話しかないのにどうするんだ?」
と思ったら、第10話に「繰り返してきた時間」がまとめられていて、そうやるのかー! と。
オープニング映像で主人公のまどかは魔法少女の姿なのに、本編ではなかなか魔法少女にならない。
これはオープニング詐欺では?! と思わせておいて、第10話でようやくその意味が分かる。
時に閉じ込められる悲しみが凝縮した素晴らしい回だった。
最後に完全な平和が訪れるわけではないけれども、
「ほむらちゃんが呪縛から救われた!
大好きな人に自分の思いを理解してもらえた!」
という喜びが大きかった。
小説書きとして見ると、物語をどういう順番で見せていくのが最も効果的かを考えるのに、大変勉強になる作品でした。