表現再考:蟄虫咸俯 虫がみな穴に潜って動かなくなる
いよいよ霜降の末候になりました。宣明暦では、蟄虫咸俯、虫が皆穴に潜って動かなくなるですが、越冬のための冬眠の時期に入ったということです。この〈蟄虫〉というのは宣明暦では、七十二候の中では、たびたびでてきて、立春の次候、蟄虫始振(虫が動き始める)、秋分の次候、蟄虫坏戸(虫が穴の入り口を塞ぐ。巣篭もりの準備をする)となっています。
〈蟄虫〉については、本朝と宣明暦では、扱いが違って面白いです。霜降の末候は、本朝では楓蔦黄(もみじつたきばむ)で、山を仰ぎ見た景色を描いたのと、里山を歩いて気づくものとの違いを感じます。