展示感想: 〈彩りのグラデーション〉2024 ANIMALIA アニマリア=いきものたちの世界 Part-1 Gallery FACE TO FACE(その2)
【2024 ANIMALIA アニマリア=いきものたちの世界】感想、その2です。
陰陽の陰と陽というのは、結構、興味深いものです。美術でも、陽、拡散と、陰、凝集二つの軸で考えれるかもしれません。
藤原宇希子さんは、日本画、岩絵具で作品を作りますが、額装も踏まえて、ひとつの調度品の趣きがあります。
岩絵具の盛り上げも含めて、物体へ物体へと向かう印象がありました。
それに対して、樹乃かにさんの作品は、どこか発散していて、生命内部の衝動が外へ外へと拡散していくような感じです。
この両端が、<モノとなろうとする色彩>と<モノから抜け出ようとする色彩>として、同じ会場に鎮座していることが興味深くもありました。
その間にありながら、発散するでもなく物へ回帰するでもなく、シンプルな絵としてitomakiさんの作品はあるのですが、なぜかそのしっとりした印象が、二つの両端に間に位置をとるようでした。
個体、液体、気体、そんな物理や化学の教科書を思い出すようなコントラストを感じるような三人のごローイングでした。また、今回、面白いのは、立体の作品が、その間に自然に居座っているようで、なぜか草原に立っているような不思議な錯覚を感じました。
◆ 出品作家
浅野井 春奈(あさのい はるな) 木彫
itomaki(いとまき) 水彩・色鉛筆
國川 裕美(くにかわ ひろみ) 石彫
樹乃 かに(じゅの かに) デジタル・鉛筆
藤原 宇希子(ふじわら うきこ) 岩絵の具他 *初参加