画廊の楽しみ方ーーなんで画廊に足を運ぶのか(65)
版画の繋がりで、続けています。メゾチント、木版画、コラグラフ、コラージュと続けてきましたが、エッチング、銅版画です。銅版を針のようなもので削って腐食させる凹版のエッチングは、シャープな線が特徴で、ボンヤリとした味わいのメゾチントとも、凸面との段差がつくる荒いグラデーションね木版とも違いキリッとした感じが特徴的です。
清水佳奈さんは、ドローイングもされますが、向こうの世界から訴えてくるなにか、物質感を超えたイデアの現出をエッジの効いたモノトーンで現しています。
久後育大さんの木版画は、降りしきる雨や簾のような縦の線が特徴です。
これは、帳や境界、時間経過を出しているのでしょうが、もしかしたら、銅版画、エッチングの考え方のスピンオフ、もしくはパロディの要素もあるのかもと思いました。
感想のコラボが、思考のコラージュをあらわしているのかもしれません。視点を変えて表現することは、新しい出会いを導いてもくれるのでしょう。
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